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中公新書
きまぐれ歴史散歩

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  • サイズ 新書判/ページ数 228p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121022349
  • NDC分類 291.09
  • Cコード C1226

出版社内容情報

北海道から鹿児島まで各地を訪ね、旧石器時代から現代まで時間を旅する。歴史を五感で味わい、自由に思索をめぐらす紀行エッセイ。

内容説明

歴史の「洗礼」を受けた土地には、不思議なオーラがある。たたずまいが微妙にちがうのだ。考古学の常識をくつがえした岩宿遺跡、平家一門が波間に消えた壇ノ浦、徳川の天下を決した関ヶ原、忠臣蔵の四十七士の故里・赤穂、そして特攻隊が出撃した九州南端の知覧基地―。好奇心のおもむくまま、由緒ある町を訪ね、古代から近現代まで、自由に時間を旅する。歴史の魅力を堪能し、思索をめぐらした紀行エッセイ。

目次

旧石器あらわる
法隆寺金堂出火
空海開山
運慶多忙ナリ
あな哀し壇ノ浦
天下分け目の関ヶ原
赤穂城明け渡し
浅間大変天明の大噴火
大塩立てり
和ノ宮様お通り
寺田屋の血しぶき
嗚呼壮絶 会津戦争
国男少年の故里
足尾の百年
秩父困民党蜂起
北海道庁開庁す
板東俘虜収容所
再会、われらのメンタム
大本弾圧
特攻隊出撃す
原爆投下
光太郎の山居七年
「岸壁の母」異聞
伊勢湾台風
「永仁の壷」事件
霞が関ビルの誕生

著者等紹介

池内紀[イケウチオサム]
1940年(昭和15年)、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

42
日本を石器時代から昭和まで思うがままに歩いた一冊。斯様に飄々とした足取りで案内されると、こちらまで駘蕩としたいい気分になってくるから不思議。案内される場所も壇ノ浦や関ヶ原といった有名どころから、柳田国男の故郷、メンソレ、秩父困民党等一風変わった所まで幅広い。こう読んでいくと、歴史とはその地理と切り離せないものであると同時に、その地方が歴史の重みで一層豊かになっているように思えた。ちなみに私の地元も紹介されているのだが、普段話題にならない所なのでこうして本になってみると、なんとなく面はゆいような気分になる。2013/10/05

黒猫

24
休みの日に読了。ちょっとした歴史のおさらいにちょうどよく、檀ノ浦、関ヶ原、高野山、会津、大本弾圧などの作者の散歩は本当に気まぐれだ。だから、気まぐれに好きなところは興味深かったし、あまり興味がないところは普通に読み進めた。読書をしながら散歩できたちょっとお得な気分だった。大本跡地や檀ノ浦や会津などは近くに宿をとってゆっくりぶらぶら散歩したい。あと、柳田国男さんが関西人だったとは初めて知りました。池内節が今一歩でやはり「今夜もひとり居酒屋」にはかなわないかな。春に散歩したい気にはなる。2018/01/08

さっと

8
限りあるお小遣いを有効に使うため、新刊書店では買い物しないようにしているのだけれど、目当ての吉川英治『黒田如水』を持ってレジに向かう途中で目が合ってしまい購入。気軽に『歴史散歩』と言いつつ、個人の感情や知識や歴史観がごちゃまぜになって妙におしつけがましい紀行文にぶつかることが多いなか、こちらは良心的な本である。取り上げられている歴史の現場のだいたいが、歴史の教科書の太字で見たことある事項だから、とっつきやすい。そして、作者の筆遣いもドイツ文学者というよりエッセイストのそれである。うまい。2013/10/13

ひよピパパ

5
歴史の現場を取材して書きつづられた随筆集。博識の池内先生とあって、歴史の捉え方は鋭く深い。関ヶ原の戦いで石田方は何故敗れたのか、赤穂浪士は浅野内匠頭の刃傷沙汰をどのように受け止めたのか、広島に原爆を投下する側にどんないきさつと思惑があったのか……。これまで知られている歴史の事実からさらに一歩踏み入って考える視点を提供してくれる。2017/11/08

ユウヤ

3
気分転換のつもりで読みはじめたら結構濃い内容で引き込まれた。相沢忠洋の行商がなぜ納豆だったか、浅間山噴火後の鎌原村復興はどのような核をつくったのか、日光東照宮の重厚な銅瓦葺きが隣接する後の足尾銅山だったことなどかなり刺激的。秩父困民党や大本弾圧など今関心のあるテーマにも触れられていてコスパは十分だった。「ライゼブーフ」を持って次の3連休どこかに行きたいッス。2013/09/28

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