内容説明
かつて日本古代史は、『日本書紀』『古事記』や中国の史書に頼らざるを得なかった。だが一九九〇年代後半以降、三万点以上に及ぶ飛鳥時代の木簡の出土が相次ぎ、新たな解明が進み始める。本書は、大化改新、中国・朝鮮半島との関係、藤原京造営、そして律令制の成立時期など、日本最古の木簡から新たに浮かび上がった史実、「郡評論争」など文献史料をめぐる議論の決着など、木簡解読によって書き替えられた歴史を描く。
目次
序章 一三〇〇年の時を超えて
第1章 日本最古の木簡(紀年銘木簡から探る;考古学的見地から探る;日本における木簡使用の始まり)
第2章 大化改新はあったのか(「乙丑年」荷札木簡の衝撃;荷札木簡からみた「国―評―五十戸」制)
第3章 天武天皇と持統天皇の王宮(日本最古の暦;石神遺跡の性格;飛鳥浄御原宮の姿)
第4章 飛鳥の総合工房(富本銭を鋳造した攻防;飛鳥池工房の性格)
第5章 飛鳥寺の多彩な活動―日本最古の寺院の姿(飛鳥寺と道昭;宗教・医療・経済活動)
第6章 藤原京の誕生(長い造営工事藤原京の街並み;都市問題の発生と信仰)
第7章 日本古代国家の転換点―大宝律令制定の波紋(一三〇〇年後の大発見;画期としての七〇一年)
終章 「飛鳥の木簡」の意義
著者等紹介
市大樹[イチヒロキ]
1971(昭和46)年愛知県生まれ。2000年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学(2001年、文学博士)。01年から奈良文化財研究所研究員・主任研究員として発掘調査・木簡整理に従事。09年大阪大学大学院文学研究科准教授。12年第8回日本学術振興会賞・第8回日本学士院学術奨励賞受賞。日本古代史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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