出版社内容情報
ユーロ誕生から六年、経済の低迷するEUは米国に対抗できるのか。日本への影響は。今後を展望する。
内容説明
一九九九年一月に誕生したユーロは、EU十二か国、三億人あまりが使用する巨大な通貨である。導入当初はドルや円に対抗できる通貨の誕生として大きな期待がかけられ、歴史に残る壮大な試みと賞賛されたが、近年のEU経済は低迷し、通貨統合のメリットはあらわれていない。ユーロはドルの対抗軸となりうるのか。二五か国体制になった拡大EUはどこへ向かうのか。そして日本への影響は。EUとユーロの今後を展望する。
目次
序章 ユーロ導入がもたらした課題
第1章 欧州通貨統合の歩み
第2章 ユーロ域経済の動向
第3章 ユーロとマクロ経済政策
第4章 EUの拡大とユーロ域
第5章 ユーロとユーロ域の展望
終章 拡大EUと日本
著者等紹介
坂田豊光[サカタトヨミツ]
1952年(昭和27年)、神奈川県に生まれる。中央大学経済学部国際経済学科卒業。中央大学大学院経済学研究科修士課程修了。大和証券投資信託委託、スイス銀行、ナショナル・ウェストミンスター銀行、コメルツ銀行などに勤務ののち、中央大学経済学部兼任講師。専攻、国際金融論
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まるさ
5
欧州の通貨統合について歴史的に振り返りながら解説した本。政府の統合と一緒に通貨を統一させてしまうことが破滅を招くことを統合する前にすでに欧州の国家の政府は理解していたにもかかわらず結果的に危機に直面してしまったのか興味が持てた。2016/01/16
Missy
1
入ゼミ用。€ VS $2012/03/14
ねぎとろ
1
今となっては古い本だが、通貨統合までの流れを知るのにはまだ使えるか。ただ、本書を読んでも結局のところ通貨統合しなきゃよかったのに、としか思えない。メリットとして挙げられているのは、貿易や投資活動の容易化、為替手数料の節約、統合の背景になったのはマンデルの最適通貨圏理論だが実証的にはどうなのコレ?って感じ。この程度のメリットなのに、金融政策の一元化と多元的財政政策というキメラ状態に、財政規律の足枷付き。そりゃあ不景気にもなりますわ。やはり壮大な社会実験(の失敗例)として歴史に名を残すのだろうか。2012/04/09