内容説明
日本でも、昭和初期に15年間施行されたことがあるとはいえ、陪審裁判への不安や抵抗感は、未だ根強いといわざるを得ない。しかし、いまや、市民の司法参加という観点から、是非論を超えた陪審制度の検討が必要ではないだろうか。本書は日本の現行裁判制度の問題点を探りつつ、アメリカの陪審裁判の実際と比較し、さらに、かつて日本の陪審法がなぜ定着できなかったのかを、具体的な資料によって跡づけようとするものである。
目次
第1章 日本の裁判はうまくいっているか
第2章 アメリカの陪審裁判はうまくいっているか
第3章 陪審裁判はどのようにおこなわれるか―マサチューセッツ州刑事法廷の三日間
第4章 日本の陪審制度はなぜ根づかなかったか
第5章 陪審に何が可能か