中公叢書
古代韓半島と倭国

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120050435
  • NDC分類 221.035
  • Cコード C1020

出版社内容情報

三国時代の韓半島と古墳時代の日本列島はどこが共通し、どこが異なるのか。考古学の成果にもとづき古代の交流史を明らかにする。

内容説明

高句麗、百済、新羅が並び立ち、長期にわたって激しい抗争を繰り広げた三国時代の韓半島。今日も至るところに残る石積みの山城は、当時の緊迫した状況を物語っている。同じ頃、海を隔てた古墳時代の日本列島では、畿内を中心に広域にわたって前方後円墳が築造されていた。それぞれに巨大な建造物を築いた二つの社会は、どこが共通し、どこが異なったのか。本書では百済と新羅、そして近年、日本列島との深い関わりがクローズアップされている加耶と栄山江流域を取り上げ、相互比較の観点から二つの社会の特質を浮き彫りにする。

目次

1 古墳時代の日本列島と三国時代の韓半島(日韓交流史と考古学;古墳時代と三国時代の時代像)
2 百済と新羅の考古学(三国時代考古学の方法論;都城と山城;古墳と副葬品の考古学)
3 交流と伝播の考古学(栄山江流域とは何か―三国時代の第五勢力と前方後円墳;加耶と倭系文物)

著者等紹介

山本孝文[ヤマモトタカフミ]
1974年生まれ。1998年、日本大学文理学部卒業。2005年、釜山大学校大学院考古学科博士課程修了。文学博士(釜山大学校)。高麗大学校考古環境研究所研究教授等を経て、2013年より日本大学文理学部教授。専攻は東アジア考古学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はるわか

18
すべてを政治集団のレベルで解釈しようとする傾向は再考が必要。他者の視点と交流の多様性への視点、二つの補完されるべき視点。日本列島の古墳時代と韓半島の三国時代は年代的位置(3〜7世紀)をほぼ共有、時代を通じて何らかの通交関係を保つ。農耕社会という共通点。異なる歴史環境、列島と半島。日本列島:国家社会への道程:巨大古墳。韓半島:国家社会間の抗争と相互作用:山城と都城:高句麗、百済、新羅、加耶、栄山江流域(ヨンサンガン、前方後円墳)。2018/05/03

はちめ

7
前半部分は三国時代の古代韓半島の考古学的研究成果が述べられ、表題については後半部分で記述されている。大変慎重な記述であるが、要するに栄山河地区の前方後円墳と伽耶地区の倭風文物において何らかの倭国と韓半島の交流が推測されるが詳細は判らないということ。土器などの制作年に関する韓国側の研究が精密さに欠けることもあるようだ。十数箇所とはいえかなりの規模の前方後円墳が存在したということは、倭国の政治的又は軍事的指導者が栄山河地区に存在したことを示すのではないだろうか。☆☆☆★2019/07/07

うしうし

6
百済・新羅・加耶(金官加耶・阿羅加耶・小加耶・大加耶)と、三国時代の韓半島に展開する様々な地域性と日本の関係を、考古学(主に墳墓)の面から探求した書籍。明確な結論を提示せずに記述が進む部分もあり、もどかしさを感じる点も多いが、この時代の考古学的な研究成果を知る上で重要な文献だと思った。 ・三国時代の韓半島と日本の古墳時代との最も大きな違いが、文化的・政治的拠点としての「都城」と軍事的施設である「山城」の有無である。(p84)2021/05/16

カラコムル711

3
三国時代の新羅、百済、加羅、栄山江流域の考古学の最新の研究成果を知ることができる貴重な書である。嫌韓論がのさぼる現状で、このような客観的学問的論説が得られることは貴重だ。違う他者をそのまま理解し受容することは学問だけでなく人の生き方の基本である。正確に三国時代を知りたい人には必読の書である。2018/03/29

Hamaji_U

2
高句麗を除く韓半島(朝鮮半島)の、日本の古墳時代に相当する時期の考古学について一望できる、難しすぎず、知りたかったことがまとまっていて、程よい、こういう本を待っていました。現代の両国の関係からしばしばヒートアップしがちな議論にも慎重・冷静に考古学的事実を見ようというスタンスのおかげで、本書の手触りはより良いです。2018/02/19

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