出版社内容情報
今西錦司による日本霊長類研究の黎明期から先人たちの試行錯誤をたどり、アフリカ・マハレでのチンパンジー研究50年の歴史をつづる。
内容説明
今西錦司によってはじまった日本の霊長類研究=「サル学」。なかでも最も人に近いとされるチンパンジーは多くの研究者たちを魅了してきた。チンパンジーの調査地としてタンザニア・マハレで研究がはじまってから半世紀。長期にわたり研究者を惹きつける魅力とは何か。今西錦司の思想と決意、伊谷純一郎のアフリカ進出、長らく第一人者として活躍した西田利貞など、先人たちの試行錯誤をたどる。並行して五〇年にわたり観察し続けたチンパンジー社会の変化や、彼らと研究者との交流も描く。
目次
第1章 チンパンジー研究前史
第2章 類人猿を追って
第3章 黎明期のマハレ
第4章 カジャバラ集団の消失と国立公園の制定
第5章 研究の深化とントロギ時代の終焉
第6章 「チンパンジー文化」の時代
第7章 西田の死と苦難の時代
第8章 新たな歴史を紡ぐ
著者等紹介
中村美知夫[ナカムラミチオ]
1971(昭和46)年熊本県生まれ。94年京都大学理学部卒業、99年京都大学大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学、京都大学博士(理学)。財団法人日本モンキーセンター・リサーチフェローなどを経て、京都大学野生動物研究センター准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えも
17
タンザニアでのチンパンジー研究を軸に、今西錦司、伊谷純一郎、西田利貞らが作り上げてきた「サル学」を描く▼何というか、学生時代にファンだった者として、とても懐かしく、しかも「その後」の動向、つまり、一つの時代の終焉に近い状況にあることまで知ることができ、感慨はひとしおです。2017/03/07
おけいさん
4
類人猿研究は、ヒトがどのように進化してきたかを探る手がかりになる。そのフィールドワークにはおそろしい手間と忍耐と時間がかかる。でもこういう経済効果のない研究への、予算や研究者育成の問題が指摘されていて、それがとても印象的だった。 一口にサルといっても、日本猿とチンパンジーは全然違った生き物なのね。2016/01/04
カネコ
3
○2015/11/25
Myrmidon
1
「サル学」そのものではなく、「サル学史」の本。特にマハレのチンパンジー研究に絞って書かれている。高校時代、一瞬だけ本気でサル研究に進もうか考えたことのある自分は楽しく、また興味深く読めた。また「サル学」の本も読もう。2016/04/30
technohippy
1
なぜか冒険小説に近いロマンを感じた2015/10/08
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