内容説明
多くの人にとって、家族、友人、恋人との思い出なつかしい夏の浜辺。しかし、この夏の風物詩の歴史は意外に浅い。西洋文明の移入に伴って奨励されて以来、戦前期までの海水浴の紆余曲折をたどる。
目次
第1章 「海水浴」とは(日本人にとっての海;武芸としての水泳;潮湯治と海水浴;西洋医学と近代海水浴;お雇い外国人の海水浴;水練場の登場;鉄道会社と新聞社の役割;海水浴奨励による海国思想の涵養)
第2章 たしなみある女性の海水浴(女もすなる海水浴;混浴禁止の海水浴;平塚らいてうの海水浴;シマウマ水着の登場;女性の海水浴に厳しい目;初の水着美女ポスター)
第3章 近代海水浴三人の始祖(初代衛生局長として啓蒙書を著した長与専斎;全国を行脚して海水浴を説いた松本順;一介の勤務医の情熱、後藤新平)
第4章 近代海水浴からの脱却(「海水浴」の変遷を映す啓蒙書;遊泳法にも目を向ける清吟集付きの啓蒙書;脱・医療の海水浴啓蒙書;サメやフカ避けの「鮫威し」;大正期の海水浴場の分布)
第5章 知られざる海浜文化(海浜療養とサナトリウム;祷龍館と海浜院と海気館;鎌倉海浜院;稲毛海気療養所;臨海別荘地の開発;海の家の登場;海の家をめぐる利権と紛争;海の家の発展;高床式海の家と納涼桟橋;鉄道省の海の家;在留外国人御用達 Bathing Boat;浮かぶ人工海水浴場「忠泳館」;臨海学校で賑わった海水浴場;大学生が拓いた房総の海水浴場;歓楽街と化した海水浴場;海の銀座となった東海の海水浴場)
著者等紹介
畔柳昭雄[クロヤナギアキオ]
1952年(昭和27年)、三重県生まれ。日本大学理工学部建築学科卒業、同大学院理工学研究科建築学専攻博士課程修了。現在、日本大学理工学部教授。専攻・海洋建築工学。工学博士。著書に、『アジアの水辺空間』(共著、鹿島出版会、日本沿岸域学会出版・文化賞)などがある。また、主な作品に「マダガスカル民主共和国アンダシベ村ペリネ保護区ビジターセンター」(1993年、日本トイレ協会グッドトイレ10特別賞)「海の家2ラ・プラージュ」(2006年、イタリア・アルミ構造物国際賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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