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海水浴と日本人

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  • サイズ B6判/ページ数 208p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120041358
  • NDC分類 498.37
  • Cコード C0021

内容説明

多くの人にとって、家族、友人、恋人との思い出なつかしい夏の浜辺。しかし、この夏の風物詩の歴史は意外に浅い。西洋文明の移入に伴って奨励されて以来、戦前期までの海水浴の紆余曲折をたどる。

目次

第1章 「海水浴」とは(日本人にとっての海;武芸としての水泳;潮湯治と海水浴;西洋医学と近代海水浴;お雇い外国人の海水浴;水練場の登場;鉄道会社と新聞社の役割;海水浴奨励による海国思想の涵養)
第2章 たしなみある女性の海水浴(女もすなる海水浴;混浴禁止の海水浴;平塚らいてうの海水浴;シマウマ水着の登場;女性の海水浴に厳しい目;初の水着美女ポスター)
第3章 近代海水浴三人の始祖(初代衛生局長として啓蒙書を著した長与専斎;全国を行脚して海水浴を説いた松本順;一介の勤務医の情熱、後藤新平)
第4章 近代海水浴からの脱却(「海水浴」の変遷を映す啓蒙書;遊泳法にも目を向ける清吟集付きの啓蒙書;脱・医療の海水浴啓蒙書;サメやフカ避けの「鮫威し」;大正期の海水浴場の分布)
第5章 知られざる海浜文化(海浜療養とサナトリウム;祷龍館と海浜院と海気館;鎌倉海浜院;稲毛海気療養所;臨海別荘地の開発;海の家の登場;海の家をめぐる利権と紛争;海の家の発展;高床式海の家と納涼桟橋;鉄道省の海の家;在留外国人御用達 Bathing Boat;浮かぶ人工海水浴場「忠泳館」;臨海学校で賑わった海水浴場;大学生が拓いた房総の海水浴場;歓楽街と化した海水浴場;海の銀座となった東海の海水浴場)

著者等紹介

畔柳昭雄[クロヤナギアキオ]
1952年(昭和27年)、三重県生まれ。日本大学理工学部建築学科卒業、同大学院理工学研究科建築学専攻博士課程修了。現在、日本大学理工学部教授。専攻・海洋建築工学。工学博士。著書に、『アジアの水辺空間』(共著、鹿島出版会、日本沿岸域学会出版・文化賞)などがある。また、主な作品に「マダガスカル民主共和国アンダシベ村ペリネ保護区ビジターセンター」(1993年、日本トイレ協会グッドトイレ10特別賞)「海の家2ラ・プラージュ」(2006年、イタリア・アルミ構造物国際賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gtn

20
医療衛生を目的として明治初期に始まった海水浴に娯楽性が加わっていく様を、当時の文献を基に丹念に綴る。欲を言えば、風俗としての記述が乏しいことが物足りない。2021/09/04

ありんこ

3
海水浴のはじまりは医療行為で、脚気などの病気を治したりするためだったこと、日本人が海水浴を楽しむようになるまでの経緯を紹介していて、勉強になりました!2010/08/11

akaneirosora

1
日本は、海に囲まれた国なのに、海水浴という文化は、明治維新の頃に入ってきた。最初は治療としての効能があるというところから普及が始まった。松本良順という軍医学者が、西洋医学を学ぶうちに海水浴の効能があることを知り、日本初の海水浴場を開くべく、候補地を探しをしていたところ、神奈川県の大磯町にある海岸がぴったりではないかと見つけて開設にこぎつけた。開設したものの全然はやらず、海水浴についての効能を説いた本を出したり、広報戦略を打ったという件を読んで、戦略というのは昔から変わらないのだなぁと思った。2019/11/24

かみのけモツレク

0
有名かどうかにかかわらず並列に人名がたくさんでてきて説得力がある。想像でものをいわない。いい本2016/07/29

メロン泥棒

0
海水浴に関する雑学が凝縮された1冊。海水浴は「うみみずあみ」と言われ、「古事記」の時代から海水に消毒作用があることは知られていたようだ。本格的に広まったのは江戸末期で元々は湯治と同じく療養のためで、「海気浴」と言って海辺の空気を吸うだけでも効果があると言われていたとか。そのほかにも海水浴にも「混浴」が禁止されている時代があったとか、初めて知ることが多々あった。2010/08/22

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