出版社内容情報
なぜ「世界遺産」たりうるのか? 最高の状態で味わうコツとは? 辻調グループ代表がつづる和食の真実。
なぜ世界の一流シェフたちをも魅了するのか? 最高の状態で味わうコツとは? 和食の歴史的変遷は? 良い店はどこが違うのか? 幼い頃から味覚の英才教育を受けてきた辻調グループ代表が綴る「和食の真実」。
内容説明
料理研究者として知られる辻静雄を父に持つ著者は、幼い頃から味覚の英才教育を受けてきた。そしていま、世界が賞賛する「和食」の未来に大きな希望と一抹の不安を抱いている。なぜ海外の一流シェフは和食に驚嘆したのか?料理を最高の状態で味わうコツとは?良い店はどこが違うのか?歴史的変遷から、海外での成功例や最先端の取組みまで、世界の食を俯瞰的に見つめ続けてきた著者だからこそ書けた、和食の真実。
目次
序章 和食の驚くべき広がり
第1章 「カリフォルニアロール」は和食か?
第2章 和食はそもそもハイブリッドである
第3章 「美食のコーチ」の必要性
第4章 和食の真髄が見える瞬間
第5章 ニューヨークで本格懐石を
著者等紹介
辻芳樹[ツジヨシキ]
1964(昭和39)年大阪生まれ。12歳で渡英。米国でBA(文学士号)取得。1993年に、父・辻静雄の跡を継ぎ、辻調理師専門学校校長、辻調グループ代表に就任。海外への和食の発信も積極的に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
50
父親に和食の英才教育を受けた。8歳の頃から最高水準の懐石料理を食べ、12歳でスコットランドへ留学。27歳まで過ごした。1970年代から世界の中での和食を知る著者が見る「世界の中の和食」とは何か。世界に出て行った和食は独自の変化を遂げた。低カロリーでヘルシーという世界の潮流に、和食のUMAMIである出汁や味付け、食材の生かし方、使い方など和食の粋を生かした「変換力」で海外で成功するレストランは増えている。本家の日本はどうか?若者の日本食離れからせっかくの伝統が廃れないようもっと日本食を食べようではないか。2019/05/17
kawa
29
知らざれる和食の世界を覗く。生魚を嫌う西洋人がセットされていたワサビを一気に口に入れて悲惨なめにあったり、甘い小豆餡を体質的に受け付けないような状況から、海外の有名調理人が和食をリスペクトし「プログレッシブ和食」とも言える有名店舗が国内外問わず出現していると言う。紹介されるお店はグレードが高すぎおそらく縁のないところなのだが、京菓子の「亀屋良長」とそこで活躍する藤田怜美(さとみ)さんには注目かな。和食の基本は出汁、椀は最初薄味徐々に濃厚が優れもの等もテイクノート。(2013年刊) 2023/11/01
mazda
29
和食の奥深さは、海に囲まれ魚介類が豊富にとれたり、歴史的に殿のいた江戸、公家のいた京都、多数の庶民がいた大阪とそれぞれに発展させてきたりと、日本独特の背景がとても大きいと思います。最近になりようやくその素晴らしさが世界に認められてきた和食含め、日本人はもっと自分たちの文化に誇りを持つべきだと思います。2016/09/09
さきん
22
和食自体が受け入れ難かった1970年代の著者の経験が原点。料理学校を通して、和食を海外に受け入れてもらうよう親子2代で取り組んでいる。その労も実を結んできたのか、和食調理の技術で洋食を、洋食のアイデアで和食を、和食の素材、洋食の素材をお互いに合わせるなどもはや区別もつかない新しい局面に入ってきている。美味しんぼを連想させられた。2020/02/25
T2y@
21
辻調グループ代表による、“食べ手”視点からの和食ガイド。 世界に出て進化する現在・未来と、過去から積み上がった「和食」の歴史と伝統芸。 考えて食べる事で磨かれる味覚。『作り手』の本気を引き出す『食べ手』の向き合い方は学びとしたい。 国内の和食料理人は勿論、海外の一流シェフ達の粋なエピソードが、また味わい深い。2014/02/25