内容説明
なぜアメリカはイラク攻撃にこだわったのか。安易な陰謀史観に頼らずとも、9・11以降のブッシュ政権内の「論理と力学」を丹念に分析すれば、その疑問は氷解する。ブッシュを取り巻くブレーンたちの動きを通して浮かび上がるのは、ナイーブで孤独な「揺れる超大国」の姿だ。新世代のアメリカ・ウォッチャーによる注目の論考。
目次
第1章 「悪の枢軸」の誕生
第2章 イラク攻撃の準備と中東情勢
第3章 壮大なオセロゲーム
第4章 タカ派集団「PNAC」の外交思想
第5章 政権を産んだ共和党内の力学
第6章 ブッシュ流「草の根保守派」の本質
第7章 「9・11」という転換点
第8章 パウエルの逆襲と対イラク国連決議
第9章 「ナイーブな帝国」の行方
著者等紹介
吉崎達彦[ヨシザキタツヒコ]
1960(昭和35)年富山市生まれ。日商岩井総合研究所調査グループ主任エコノミスト。一橋大学社会学部卒。84年日商岩井入社、米国ブルッキングス研究所客員研究員、経済同友会調査役などを経て、02年より現職。週刊ニューズレター「溜池通信」を発行中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
24
イラク戦争中に書かれた本。アメリカの政策シンクタンクに注目した文章は今まで読んだことがなかった。この段階で「アメリカの論理」がいかに周到に作り上げられてきたものなのかがよくわかる。世界を善くすることなど、本当にできるのだろうか?2014/07/02
James Hayashi
16
03年の著であり、新鮮味がなく内容もそれほど濃くない。ブッシュ政権とネオコン、悪の枢軸といった内容。2020/04/10
やす
5
アメリカから見たアメリカの論理について。とても分かりやすい。2024/02/13
Humbaba
1
説得力を高めるために必要なことの一つは,互いに参照可能なデータを用いて話すことである.「ここだけの話」というのは人を引きつける魅力はあるものの,どこまで真実であるのかという疑念をぬぐい去ることができない.それよりも,ネット上で公開されている情報を使って議論したほうが,生産性もあり信憑性もあるものとなるだろう.2012/01/19
Humbaba
1
アメリカは超大国である。しかし、同時に非常にナイーブで孤立した国でもある。自分たちが嫌われていることをしているからこそ、力に頼る傾向がある。2010/01/09