出版社内容情報
「俺」の中に「人」はいるが、「私」に「人」はいない。「禾」が「人」になると私は仏に変身。日本語の愉しみ方を伝授するエッセイ集
「自我自讃」に「自画持参」、「短刀直入」、一番大切な漢字を決める……文字モジした言葉エッセイ集。「俺」と「僕」には「人」がいるが、「私」の中には不在の「人」。「禾」が「人」になると「私」は「仏」、死して「私」は初めて「人」になる? 絵文字の元祖、(笑)(怒)(仮)につづく( )内の新顔、あらゆるところに潜む「心」、一番偉そうな漢字、文字を売る店……クラフト・エヴィング商會の物語作者がカラーイラストつきで綴る、日本語の愉しみ方。
内容説明
この世の「そもそも」を知りたければ、月夜の晩に文字に訊いてごらん。耳を傾ければ、文字が語り始める。言葉をめぐる軽妙洒脱なエッセイ集。日本語の愉しみ、二十四篇―。
目次
始まり始まり
わたくし
三人寄れば
門前にて
文字を買う
こころ
読み間違い
偉い
午後四時
ひざまずく人〔ほか〕
著者等紹介
吉田篤弘[ヨシダアツヒロ]
1962年東京生まれ。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
193
吉田篤弘さんのお一人で書かれた作品を読むのは3作目。どうして吉田篤弘さんの文章はこんなにも心地よいんでしょう♡とても良かったです♬ほのぼのして感心させられてしまう素敵な作品❀.(*´▽`*)❀.クラフト・エヴィング商會の作品も大好きです♪今作は文字をテーマに書かれた言葉遊びエッセイ集!吉田篤弘さんらしくて、ユニークでお洒落で勉強にもなる感じ♡(笑)クラフト・エヴィング商會の装丁。本の横長のデザインも素敵*24編のお話の中でお気に入りは「三人寄れば」「こころ」「心さみしいときは」です♬終わり方も完璧(笑)2016/02/11
KAZOO
133
この本は、銀座のミニコミ誌「銀座百店」に2年間にわたり掲載されたものをまとめたものです。表題になっている言葉はある文字になっているのですが、そのような文字についてのちょっとした話などが掲載されています。一つ一つの話が楽しく一度読んだだけですが再度読みたくなります。私は昔安野光雅さんのアルファベットや数字についての本を読んだことを思い出しました。2024/10/22
おくちゃん🌷柳緑花紅
95
面白かった~。文字の中に心ってこんなにあるのか。短い文章の中にも次から次へと心が溢れている文章に感動さえ覚えた。そして題名のうかんむりのこども「字」これはうかんむりではない!!子の部首。オチもさすが。吉田篤弘さんの頭の中のその扉を一つ一つ開けて「字」の世界を堪能した♪そして自分でも見つけてみたいと思ってみたり。。。楽しい読書でした。2015/08/09
mocha
91
文字遊び、言葉遊びのコラム集とでも言えばいいだろうか?蘊蓄のイヤラシサも学問の堅苦しさもなく、膝を打ちたくなるような文字の楽しさ、ひらめきが詰まっている。思うままに書かれているようでいて、実は導入からオチまできっちり計算されているに違いない。「烏」と「ロック」の2編が好き。装丁がとてもお洒落。2015/08/19
@nk
65
こう書くのだ、と学ぶ。部首や旁などの構造も適度に教わる。そして大人になり、今では書くことよりも「入力する」ことが日々の大半を占める。本書を読みながら、「字」に潜む広大な世界を見過ごしていたことに気付いたとき、空は宇宙なんだと言われたような気がした。/特に「月」「てきとう」の2篇に痺れる。漢字の諸々を決めた昔と今では時代が違う。その変遷こそが、言葉や字は生き物だと言われる所以ではあるものの、昔と変わらぬ感覚が今も尚ある。その貫かれた芯のようなものに触れ、改めて日本語に魅了される。こんな素敵な本があったとは。2021/06/30