出版社内容情報
二一歳のタカラジェンヌが結婚した男は、優しく傷つきやすい、希代の?つきだった――。夫人が明かす、知られざる野坂昭如の素顔。
内容説明
黒眼鏡の下の「永遠の少年」。21歳の元タカラジェンヌが飛び込んだのは、想像もつかないような、波瀾万丈の結婚生活だった。直木賞受賞前の日々から、病に倒れてもなお書き続けた最晩年まで。
目次
うそつきとの五十三年 如月
沖縄での決意 弥生
母の顔を知らない 卯月
闘病生活の始まり 皐月
神戸大空襲の日から 水無月
養父と泳いだ海 文月
ぼくは夢は見ない 葉月
妹の死、そして 長月
タカラジェンヌの門限 神無月
結婚と義母と 霜月
サンタクロースだった 師走
ネクラとネアカの夫婦 睦月
娘の父として ふたたびの春
六つのお位牌
著者等紹介
野坂暘子[ノサカヨウコ]
東京生まれ。宝塚音楽学校卒業後、宝塚歌劇団入団。芸名「藍葉子」で17歳で初舞台、娘役として活躍する。’62年退団し、野坂昭如氏と結婚。’91年より画廊「ギャルリーymA」を経営。シャンソン歌手としても活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
55
「私はいつだって、何も考えず、女でいられた。あなたが男だったから。」なんて素敵な殺し文句だろう。愚痴というスパイスを効かせた、長い長い一冊のラブレターだ。僅かながらあの大島渚氏との伝説のバトルにも言及されており大変興味深かった。 2018/01/12
バーベナ
1
タカラジェンヌだった21歳で結婚。野坂さんを愛して、愛された陽子さん。可愛い夫婦。「マリリンモンロ~ノ~リタ~ン」と歌っていた野坂氏しか知らなかったけれど、これは女性にモテる人だわ。2021/01/31
がんもどき
1
図書館本。 三年前に発行された本である。奥さんなのに「野坂さん」と呼びかけるのは他人行儀な気もするが、そういう生活スタイルだったのだなとも思う。戦争のつらさ、飢えの苦しさを繰り返し話していたのだなともわかる。野坂さんが食べていくためには何でもやったというのが印象に残った。2020/07/15
海戸 波斗
1
次の男を探さずに生きていけるなんて、本当に羨ましい。娘もジェンヌ。お身内の話を切り売りして印税ゲット。需要があるから供給されるんだよね。ありがとう、面白かったよ。 あれ、上の娘は小説家デビューして田辺聖子に批評されてたな。お後がよろしいようで。2017/12/28