死にゆく者の祈り

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6変判/ページ数 317p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103370123
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

無二の友人は死刑確定囚だった! 囚人に仏道を説く教誨師は、不可解なカップル刺殺事件の真相を追ううちに、真の救済の意味を知る。

内容説明

囚人に仏道を説く教誨師の顕真。ある日、拘置所で一人の死刑囚が目に留まる。それは、大学時代に顕真を雪山の遭難事故から救った、無二の親友・関根だった。人格者として知られていた友は、なぜ見ず知らずのカップルを殺めたのか。裁判記録に浮かび上がる不可解な証言をもとに、担当刑事と遺族に聞き込みをはじめた顕真。一方、友として、教誨師として、自分にできることとは何か。答えの見出せぬまま、再び関根と対峙することとなる。想像を絶する、事件の真相とは。そして、死刑執行直前、顕真が下した決断は―。人間の「業」を徹底的に描く、渾身のミステリ長編!

著者等紹介

中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年、岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し2010年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

478
中山 七里は、新作中心に読んでいる作家です。囚人を相手に神仏の教えを諭し、時には死刑囚の最期にも立ち会う「教誨師」のミステリは、初読です。現実的には、「教誨師」がこんなにアクティブに動けるとは思えないし、ご都合主義的なところはありますが、楽しめました。死刑囚も宗教に帰依していくのでしょうか?2019/11/01

ウッディ

343
死刑囚が心安らかに逝くために仏教の教えを説く教誨師である顕真は、学生時代の登山で、自分の命を救ってくれた旧友を見つける。5年前に殺人を犯し、死刑を待つ身の関根と話し、彼が殺人を犯すはずがないと確信する。友人の冤罪を晴らすために、私情を優先する顕真の行動に違和感があり、特に死刑執行の日に、教誨師の立場で死刑囚と部屋に立てこもるというのは、公私混同も甚だしいという気がしました。主人公の魅力が乏しく、伏線らしいものもなかっためか、真犯人も唐突で、中山さんらしいどんでん返しの魅力にも欠けていたような印象でした。2020/03/04

しんたろー

266
僧侶で教誨師の顕真が恩人と再会するが彼は死刑囚になっていた…中山さんらしい「掴み」の巧さでグイグイ読ませるし、終盤の叩き込む展開は流石だが......同様のテーマだった名作『テミスの剣』程に熱中できないのは、私の慣れなのか?ミステリとしては標準点だし、社会的メッセージも悪くないのだが、デビュー作からのファンとしては2019年以降の「物足りなさ感」は本作でも変わらないのが凄く残念! 主役に魅力がないのも原因だろうが、顕真に協力する刑事・文屋が中山ファミリー重鎮刑事・渡瀬をスマートにした感じなのが救いだった。2020/05/18

R

262
教誨師を主人公にしたミステリ小説でした。教えを授ける死刑囚が、かつての命の恩人だったというスタートから、なぜ彼が死刑囚になったのか、また、お坊さんもどうして仏門を叩いたのか、物語が進むにつれてどちらも明らかになっていき、いずれにも人間臭い理由があったというお話。坊主が諭すことで犯人が改心するとか、有体なわかりやすい話ではないけども、物語は複雑ではなく共感できる内容でした。ラストが随分駆け足なので、ちょっと物足りないけども、覚悟を持って生きるかっこよさが不器用で、楽しく読めました。2019/11/11

タイ子

197
これはドラマとか映画だとありそうな作品かも。と、読み終わってまずの感想。外国の映画にもあったような記憶が。刑務所に講和に訪れた僧侶が数十年ぶりにかつての友を見かける。彼は死刑囚として獄中にいた。殺人を犯すような友ではないと確信した僧侶は彼を救い出すべく一人の刑事と証拠集めに奔走する。僧侶ゆえ全ての事象を受け止める心が説法じみているところに、くどさを感じるのも否めないがどこかで一つ一つに納得する自分がいる。死刑執行が近づく。どうなる?どうする?(ここらがドラマ向き?)これまたすごい真相を持ってきましたね。2019/10/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/14366177
  • ご注意事項