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新潮文庫
ハイデガー拾い読み

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  • サイズ 文庫判/ページ数 271p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101320823
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C0110

出版社内容情報

「講義録」を紐解きながら、思想家としての構想の雄大さや優れた西洋哲学史家としての側面を浮かび上がらせる。画期的な哲学授業。

ハイデガーとは何者なのか? 『存在と時間』を残したドイツの哲学者であり、戦中にはナチスに加担した学者でもある。しかし彼の面白さ、不思議さはそこだけには止まらない。「人柄は嫌いだが、著作は好き」という著者が、無類の面白さを誇る「講義録」を紐解きながら、思想家としての構想の雄大さや圧倒的に優れた西洋哲学史家としての姿を浮かび上がらせる。画期的な哲学授業。

内容説明

ハイデガーとは何者なのか?名著『存在と時間』を残したドイツの哲学者であり、戦中にはナチスに加担した学者でもある。しかし彼の面白さ、不思議さはそこだけには止まらない。「人柄は嫌いだが、著作は好き」という著者が、無類の面白さを誇る「講義録」を繙きながら、思想家としての構想の雄大さや圧倒的に優れた西洋哲学史家としての魅力を浮かび上がらせる。画期的な哲学授業。

目次

第1回 ハイデガーの講義録の面白さ
第2回 “実在性”と“現実性”はどこがどう違うのか
第3回 「世界内存在」という概念の由来
第4回 ハイデガーの悪癖
第5回 古代存在論は制作的な存在論である
第6回 自然について
第7回 プラトンと哲学の発足
第8回 「世界内存在」再考
第9回 専門的常識の誤り
第10回 プラトンとアリストテレス、キルケゴールとニーチェ

著者等紹介

木田元[キダゲン]
1928(昭和3)年生れ。山形県出身。哲学者。東北大学文学部哲学科卒。中央大学名誉教授。マルティン・ハイデガー、エドムント・フッサール、モーリス・メルロ=ポンティなどの現代西洋哲学者の主要著作を分かりやすい日本語に翻訳したことで知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

呼戯人

16
なんと言っても、木田元ですからね。ハイデガー読みとしては、日本一なんだろうね。プラトンから何かまったく新しい形而上学が始まり、それ以前の自然哲学者たちの優れた哲学共同体を突き崩してしまったという哲学史の読み方をまず第一に掲げたのが、ニーチェとハイデガーだったという指摘に何度も頷く。生成と存在、自然存在論とイデア主義の対立を二十世紀においても繰り返し、ニーチェ、ハイデガーともに 生成の、万物は流れる側に組みしてその哲学を展開した。柄谷行人になるともっと徹底的にイソノミアの実現を見ていたがそれはまた別本の話。2024/01/07

武井 康則

12
『全集版の邦訳は、私たちが読んでも分からないものが多いし、だいたい読もうという気にさせてくれない。ハイデガーの講義録のように分かりやすく面白いものを、こんな読めない翻訳にしてしまうのは、一種の文化的暴挙ではなかろうか。』そして『ハイデガーの講義録を読んでいると、これまでの哲学史研究で見過ごされてきたこと、自明のこと既定のこととしてそれ以上掘り下げられないできたことが深く掘りさげられたり、専門家の常識として通用してきたことの誤りが剔抉されたりすることが多い。』こうして通用してきた誤訳や誤常識を指摘していく。2020/07/01

Ryo

11
この本は多少なりカントやプラトン、アリストテレスを知っていないと存分には楽しめないだろう。彼らの哲学を、ハイデガーが彼以前とは違った独自の解釈で読み解いた面白さを取り上げたものだからだ。ちなみに私はどちらも触ってないので、概ねチンプンカンプン。それでもユクスキュルの環境世界理論の絡んだ第3章と、本質存在と事実存在についての部分は面白かった。特に後者の方は、東洋文明と西洋文明を分ける自然との関わり方の違いを生んだ片鱗を感じさせる。この思想が失われ、キリスト教が蔓延した事で、世界の発展は何年遅れただろう。2019/04/02

Gokkey

10
さすがにこれだけ同じ著者の作品を立て続けに読むと繰り返し現れるフレーズや論理展開が気になるものだが、全く飽きずに読ませるのは著者の力量ゆえか私が単純なだけか。著者はハイデガーの哲学史家としての力量を高く認める一方で、その人柄については好きになれないと言う。その理由は本書に書いてあるが、どうも私はそれを俄かに信じることは出来ない。なぜならハイデガーが試みた壮大な西洋哲学の再理解ともいうべき試みは、木田元という哲学者の「反哲学」の考えの構築に大きな影響を与えたとしか思えないからだ。未読の著書も楽しみだ。2020/01/07

masawo

8
講義録からおもしろい部分を抜粋して紹介するという企画で、比較的読みやすい。ハイデガーの古典digのエグさがひしひしと伝わってきた。若干の強引さは否めないが、アリストテレス・プラトン・カント・ニーチェなどの大御所の読み方について参考になる良書。2022/02/20

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