小学館文庫<br> ファイアマン〈上〉

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小学館文庫
ファイアマン〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 660p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094064452
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

世界の終わりに現れた炎を操る謎のヒーロー

全身に鱗状の模様が現れたのち、発火現象を起こして火だるまになり焼死する--人類にとってまったくの未知の疾病が急速に広がり、世界の終わりが迫っていた。感染者隔離施設で看護にあたっていた元学校看護師のハーパーは、妊娠と同時に感染が発覚。錯乱した夫に殺されそうになった彼女は、間一髪のところをキャプテンアメリカの姿をした少女と消防士姿の謎の男〈ファイアマン〉に救われ、迫害された感染者達が身を寄せ合う山中のキャンプに導かれる。外の世界では社会不安が広がり、自警団組織が感染者狩りをしてまわるようになり、やがてハーパーの暮らす弱者たちのコミュニティの中でも不穏な動きが……。
ニューヨークタイムズ・ベストセラー1位、『トランスポーター』の監督ルイ・レテリエによる映画化進行、ベストセラー作家による傑作エンタメ超大作!

ジョー ヒル[ジョー ヒル]
著・文・その他

白石 朗[シライシ ロウ]
翻訳

内容説明

皮膚に鱗状の模様が現れ、身体から発火して焼死―未知の疾病“竜鱗病”が突如広まり、猛威をふるいはじめた。学校保健師のハーパーは、妊娠と同時に感染が発覚。錯乱した夫に殺されそうになるが、消防士姿の謎の男“ファイアマン”に救われ、迫害された感染者たちが身を寄せ合う秘密のキャンプに導かれる。外の世界では自警組織が感染者狩りをしてまわるようになり、やがてハーパーの暮らすコミュニティの中にも不穏な空気が流れ…。ニューヨークタイムズベストセラー一位獲得、終末期のサバイバルを描く大スペクタクルエンタテインメント!

著者等紹介

ヒル,ジョー[ヒル,ジョー] [Hill,Joe]
1972年、米メイン州生まれ。2005年、デビュー作『20世紀の幽霊たち』でブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞、国際ホラー作家協会賞を受賞

白石朗[シライシロウ]
1959年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。英米小説翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tetchy

90
本書はヒル版『ザ・スタンド』と云っても過言ではないだろう。但し彼は自分なりのパンデミック&デストピア小説を紡いだのだ。キングの『ザ・スタンド』同様、本書はヒルにとって書かなければならなかった物語なのだ。但し彼が書いたのは『ザ・スタンド』とは表裏一体の物語だ。『ザ・スタンド』は群像劇の様相を呈してはいるが、ほとんど男性中心の物語。ヒルは身重の女性を主人公に据え、母性の強さを強調する。この見事なまでの対比構造はやはりこれがヒルが父親に向けた自分なりの『ザ・スタンド』に対する返信なのだと解釈せずにはいられない。2019/02/03

sin

54
前半、静かな9.11と云った趣で炎に苛まれるパンデミックに向き合う看護師と、彼女に否定的で独善的な伴侶が語られる。躾が充分でない男は厄介だ。やんちゃな大人ならまだ愛嬌があるが、ガキのまま家族を持った男は、妻に子供にとって恐怖でしかない。その軛から逃れて理想のコミュニティーに帰属した安心感も束の間、狂信的な善意の檻に囚われてしまう。形は違えど独善的な正義の押し付けは恐怖以外のなにものでもない。2018/10/27

ぐうぐう

25
謎の疾病「竜鱗病〈ドラゴンスケール〉」に侵された者は、身体から発火し、焼死してしまう。感染はまたたくまに世界規模で広がっていく。ジョー・ヒルは、その序章からして、アクセルを全開に踏み込む。父・キングなら、その発端からじっくりと、じわじわと物語を進めていくだろうに、ヒルは怒涛の展開で一気に世界を破滅へと向かわせるのだ。父と言えばジョー・ヒルは間違いなく、この長編を書くにあたって『ザ・スタンド』を意識している。(つづく)2018/09/07

しましまこ

22
皮膚に鱗状の模様が現れ発火する『竜鱗病』、ドラゴンスケールが蔓延する世界。感染者狩り、秘密のキャンプ…鱗が美しいんだが、話は恐いより、暗いよ~。救いはあるのか、ファイアマン頼むよ、下巻へGO!2018/08/25

tom

18
スティーブン・キングの息子の新作。この人、絶対にキングを超えていると、私は思っている。ということで、久しぶりにお金を出して入手してしまった。ばい菌が体に取り付き、発火、身体が燃え上がるという恐ろしい病気が蔓延する世界の物語。よくもまあ、こんなにトンデモの世界を作ったものよと思うのだけど、そこで起きる出来事は、人間世界のこまごまとした確執、奪い合い、憎しみや愛情をベースにしたもの。それを細々と書いていくというのは、キングの手法の延長線にあるのだけど、二番煎じになってないところがすごい。というところで下巻に。2018/09/05

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