出版社内容情報
1世紀も前に、日本にワイン葡萄を根付かせようと私財を投げ打った男がいた。厖大な借財を残しながらも、何も見返りを求めなかった。「日本ワインの父」と呼ばれる川上善兵衛を駆り立てたものはなんだったのか?
内容説明
文明開化の機運高まるなか殖産の志たぎる群雄割拠の時代にひとり雪深い寒村で私財を擲ちワイン葡萄の植栽と改良に生涯を賭けた川上善兵衛。えびかずらからワイン葡萄へ知られざるもうひとつの明治人維新の物語。
目次
第1章 仮宿の縁(ワイン音痴;浦川原村;岩の原葡萄園)
第2章 吹雪の中の声(半世紀前の録音テープ;高田の瞽女さん;子別れ)
第3章 岩の上の夢(百姓の下;懸想;勝海舟の談話)
第4章 葡萄の精の溜息(桐の花;収穫祭;直訴;雁木の下)
終章 葡萄の木の中に
著者等紹介
小関智弘[コセキトモヒロ]
1933年、東京都生まれ。都立大学付属工業高校卒業後、大田区内の複数の町工場で旋盤工を続けながら作家として活動。75年に『粋な旋盤工』を出版後、工場街に生きる人間模様を描き、81年には『大森界隈職人往来』で日本ノンフィクション賞を受賞するなど、ものづくり職人の語り部でもある。03年、科学技術普及啓発の功績で文部科学大臣賞を、04年、『職人学』で日経BPビズテック図書賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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