出版社内容情報
ついに南方熊楠の英文論考の完訳なる! 三大論考「神跡考」「燕石考」「鷲石考」から新発見の未発表論考までを詳細な研究をふまえて刊行。既刊[ネイチャー]誌篇に続く、熊楠の英文論考の翻訳決定版。
内容説明
三大英文論考「神跡考」「燕石考」「鷲石考」から未発表のものまで『ノーツアンドクエリーズ』誌掲載317篇とその他13篇を全訳。イギリスの民俗学雑誌を通じて世界に発信した南方熊楠の生涯にわたる業績の全貌が初めて日本語に!
目次
第1章 一八九九‐一九〇〇年ロンドン滞在期
第2章 一九〇三‐一九〇四年那智滞在期
第3章 一九〇七‐一九一〇年田辺定住と投稿の再開
第4章 一九一一‐一九一三年柳田国男との協力の頃
第5章 一九一四‐一九一五年「十二支考」開始の頃
第6章 一九一六‐一九二〇年『N&Q』誌の月刊化の頃
第7章 一九二一‐一九二三年後期の大作「鷲石考」
第8章 一九二四‐一九二五年円熟期の英文論考
第9章 一九二六‐一九三三年英文論考の終息
第10章 未発表論考
著者等紹介
飯倉照平[イイクラショウヘイ]
東京都立大学名誉教授。東京都立大学人文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
9
博覧強記の著者だが、膨大な情報を収集するには他者の情報提供や対話を必要とした。『ノーツ・アンド・クエリーズ』誌はその窓口だったようだ。この雑誌は、投稿者の記事やノートに他の投稿者が質問・回答する場であり、著者はここに投稿し、対話し、情報を得て論文を形成していったことがわかる。数十行の短文から数頁のノートまで317本+その他13本を収めた本書には、著作権から比較的自由な知的交流の雰囲気も窺える。『Footprints of God's』はここで発表され、後に日本語論文「ダイダラホウシの足跡」になったという。2022/11/10