出版社内容情報
蘭学に否定的な目付け役人と蘭方医・河島の間で騒動が起こり、水上草介は事態の収拾に奔走。千歳との進展ももどかしいまま、薬学を学びに紀州へ旅立つ日を迎えるが・・・。シリーズ最終刊、感動の結末!
内容説明
薬草栽培、生薬精製につとめる小石川御薬園同心・水上草介。様々な人達の心身を癒し、自身も多くの人に助けられてきた。更なる礎を築くため、ある想いを胸に秘め歩み出そうとする草介の前に、やっかいな騒動が巻き起こり…。江戸を舞台に繰り広げられる、青春時代小説。
著者等紹介
梶よう子[カジヨウコ]
東京都生まれ。フリーランスライターのかたわら小説を執筆、2005年「い草の花」で、九州さが大衆文学賞大賞を受賞。2008年「一朝の夢」で、松本清張賞を受賞し、同作で単行本デビューを果たす。2015年『ヨイ豊』で直木賞候補に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
113
あ~あ、最終巻ですと。何気に好きなシリーズだったのに・・残念。しかし、草介さん、千歳に想いを告げるまで長かったですね。とりあえず目出度しめでたしってことで!千歳と二人、紀州で楽しく暮らしてね。『花時雨』・・きっと桜の花びらも二人の門出を祝っているんだね。2017/06/15
papako
63
鳥居・新林の登場で、不穏な雰囲気に。鳥居さん、そんなに悪い人に思えないのにな。こういうのいらなかった。いつもののほほんとした雰囲気のお話が読みたいのに。勝手にもう亡くなっていると思ってた草介の両親もいい感じで、ちゃんとハッピーエンドに。草介、頑張んないとね。こんなに簡単に許してはもらえないんだろうけど、父親は娘に弱いから?お幸せに。2022/04/25
万葉語り
56
シリーズ3作目。のんびりした性格の水草様が周りのみんなに追い込まれやっと一世一代の告白ができた。最後まで男前な千歳様への想いが叶ってよかった。河島様が獄医になり水草様が去ってしまった小石川御薬園がどうなるのかも、和歌山編も気になるがここで本編は終了。番外編に期待したいと思う。2017-1502017/09/03
kei302
54
四季折々の植物の描写が美しい御薬園同心シリーズ。最終巻。ドライアイにバセドウ病、そして、インフルエンザ。 小石川養生所に運び込まれた患者から院内感染。初期対での認識不足や感染を広げたことに対する悪意が今のコロナ禍の状況と全く同じ。「市中には既に蔓延している」患者を攻めるのはお門違いと語る蘭方医河島の言葉。水上家三人の掛け合いが愉快。水草さまはめでたしめでたし。2020/08/27
ベルるるる
54
シリーズ3巻目で、これで終わり・・・って勿体ない!!!ついに千歳さんとうまくいったし、紀州で医療の勉強をすることになったし、二人のその後が読みたい。草介ののんびりなところが、読んでても、こちらまで癒されて大好きだった。2017/09/20