出版社内容情報
ひとりの女に人生を賭けた男の純愛と破滅。第一次大戦後の繁栄と喧騒の20年代を、時代の寵児として駆け抜けたフィッツジェラルドの代表作にして、アメリカ文学の古典。映画化原作。(解説/上岡伸雄)
内容説明
ニューヨーク郊外の豪壮な邸宅で夜毎開かれる絢爛たるパーティ。シャンパンの泡がきらめき、楽団の演奏に合わせて、着飾った紳士淑女が歌い踊る。主催者のギャツビーは経歴も謎の大富豪で、その心底には失った恋人への焦がれるような思いがあった…。第一次大戦後の繁栄と喧騒の20年代を、時代の寵児として駆け抜けたフィッツジェラルドが、美しくも破滅的な青春を流麗な文体で描いた代表作。
著者等紹介
フィッツジェラルド,F.スコット[フィッツジェラルド,F.スコット] [Fitzgerald,F.Scott]
1896年ミネソタ州セントポール生まれ。第一次大戦開戦に伴い、軍務に就くためプリンストン大学を中退(従軍はせず)の後、第一作『楽園のこちら側』で衝撃的デビュー。この小説の成功により、一躍、時代の寵児となり、南部一の美女とうたわれたゼルダ・セイヤーとの結婚も成就させる。1920~30年代、いわゆるジャズ・エイジを代表する作家で、ヘミングウェイらと同様「失われた世代」の一員でもある。1940年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MATHILDA&LEON
24
【英ガーディアン紙が選ぶ必読小説10/1000】失った女性のために大富豪に成り上がり、連日連夜パーティーを催すギャツビー。パーティーが豪華であればあるほどに、彼の孤独と悲哀が浮き彫りになるなんて、とても皮肉な話。個人的には、語り手であるニックのギャツビーに対する友情愛が唯一の救いに感じた。金があろうが、人との関係性が強固なものでなければ、生きていても辛いだけだし虚しくなるだけ。これを読むことで学ぶことが沢山あったように思う。2015/10/07
ふるい
13
西部から東部へ、夢を抱いてやってくる若者たち。富を築き、ふさわしい美女を得るという夢。ギャツビーもその一人であった。しかし、いくら金を稼ぎ、上流階級の所作を身につけたとしても、生まれつき"上"の連中には敵わないという現実はどうしようもない。ギャツビーもまた、ひたすら前へ前へと進んでいたつもりが、過去へと引き戻され、敗北する。時代を象徴する紳士淑女の豪華絢爛なパーティーや交流の裏には、苦い現実、虚無が広がっていた。自らの影を宿したギャツビーの運命に、フィッツジェラルドはどこまで自覚的だったのだろうか。2020/06/24
Yushi Suzuki
8
美しくも、残酷で強烈な一冊であった。 ばばばばば と状況を描きだして見せる手腕が見事で、このフィッツジェラルドの特徴なのだなと思う。 何度でも読み返してみたい。まだまだ 読みこみが足りないなと思う。2015/11/21
ミヤト
6
『ノルウェイの森』から。あまり内容を理解できなかった。別の訳を読んでみるか、映画を見るか。まだその素晴らしさを気付ける段階にはいなかったのだとわかった。2022/08/30
いくっち@読書リハビリ中
6
栄華と衰退。20年代のアメリカの姿と著者自身の人生や恋愛を重ね合わせれば、この文学の意味合いが見えてくる。しかし、繰り返し映画化されるくらいアメリカ人はこの作品が好きなんだな。いや、アメリカン•ドリームが忘れられないのか。2013/06/02