内容説明
深く深く海の底に潜ることで空っぽな心を満たそうとするアサコ。誰とでも寝る自堕落なキリ。南の島でフリーター生活をおくるふたりの女たちの毎日は、刺激的で自由で、でも本当は退屈に倦んで少しずつ死んでゆくよう。永遠に続くかのように思われた楽園の日々も、キリのエイズ騒動で終わりがやってくる―。表題作「シュークリアの海」その続編「島は沈まない」で描くアサコの再生への軌跡。
著者等紹介
谷村志穂[タニムラシホ]
1962年、札幌市生まれ。北海道大学農学部動物学専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
きのこ
5
これホント好きだなぁ。買ってから10年以上たつので相当な回数読んでるんだけど、まったく色あせない。アサコが抱えた暗い心にはリアリティがあるのに、モルディブという舞台やそこで暮らす人々、そしてキリというキャラクターにはリアリティがない。逆にそれがいいバランスになってると思うのです。ちょっと病んでるのに読んでてズシンと落ち込まない。ネガティブな部分を少しずつ掬い上げて浄化してくれるような感覚になります。さらっとしたクセのない文体だけど、描写に言葉足らずな印象はなく、瑞々しくてとても読みやすい。大事な一冊です。2016/04/20
あいくん
2
☆☆☆「私はなぜ、あんなに買ってしまったんだろう」は姉妹で交わす手紙の形を取っています。三十歳の姉はどんどん買い物をしていて借金が五百万円になってしまいます。その借金の穴埋めを父は断りますが、義兄が助けます。四編の中でわたしはこれが好きでした。「買い物がこんなに楽しいなんて」というところから、第三セクターの鉄道の35歳の女子事務員が7年間で売上金4400万円を横領したという事件を思い出しました。この女子事務員はブランド品の洋服の購入にあてていたそうです。落とし穴にはまらぬよう自戒していきたいです。 2014/06/13
ゆば
0
とても女性的な小説。谷村志保ワールドを垣間見た。そしてりーさんはとても彼女に影響を受けてると感じた。2016/05/21
やぎみ
0
心がなかなか強くなれない女性たちのお話。いつかこんな感情をもてあました時代があったように思うが、結論を言ってしまえば若さゆえなのかな、と。歳を重なれば重ねるほど自分の操縦方法がわかってくる。アサコたちもきっと心から笑えるような日が来るといいな。逃げずに立ち向かって欲しい。2012/12/12
Theodore
0
全4話構成の短編集。1話に女同士のキス以上本番未満な関係あり。だが全体的に見るとヘテロメインで百合ともレズとも言いがたい作品。1話:表題作。モルジブを舞台とした自堕落な日々の話。男性陣がなんかむかつく 2話:1話の続き。ろくでなしの男性が1人加わる。が、最後は綺麗にお別れするのですっきり 3話:夜が怖い女の話。テトリスを延々と8時間も続けるなんて集中力あるな~。RPGならともかく自分には無理だな 4話:買い物中毒の姉と妹の往復書簡。せっかく買った服を放置したのがもったいない…2024/04/22




