集英社新書<br> 性風俗シングルマザー―地方都市における女性と子どもの貧困

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集英社新書
性風俗シングルマザー―地方都市における女性と子どもの貧困

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  • サイズ 新書判/ページ数 272p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087211047
  • NDC分類 367.21
  • Cコード C0236

出版社内容情報

「彼女たちは、なぜ、その仕事をやめられないのか?」

経済的困窮におかれたシングルマザーの中で、デリヘルなどの性風俗店で働く人たちが増えている。
首都圏に比べて賃金も低い、働き口も少ない、行政の公的サービスも十分でないという地方都市において、「性風俗シングルマザー」はどのように仕事と育児をこなし、貧困から脱出しようともがいているのか?

【主な内容】
・子供たちがひしめきあう託児所
・風俗で働いていることを隠して結婚
・子育て支援の充実した隣町に引っ越し
・高時給の仕事を探し、いつの間にかデリヘルに
・離婚できない「隠れシングルマザー」
・接客中に保育園から電話がかかってくる
・スマホで分娩の方法を調べて自宅出産
・「最悪の客」に指名される
・最初の仕事で性暴力被害に
・足りないのは「夫」でも「お金」でもない
・財政難の地方都市が貧困の連鎖を断つためには

【目次】
はじめに
第一章 地方都市の風俗店で生きるシングルマザー
第二章 生活と子育てを安定させるために
第三章 義実家という名の牢獄
第四章 たった一人の自宅出産
第五章 彼女たちが「飛ぶ」理由
第六章 「シングルマザー風俗嬢予備軍」への支援
第七章 風俗の「出口」を探せ
第八章 「子どもの貧困」と闘う地方都市
終章 「家族」と「働く」にかけられた呪いを解く
おわりに
シングルマザーが生活や仕事で困った時の相談窓口

【著者プロフィール】
坂爪真吾(さかつめ しんご)
1971年、新潟生まれ。一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。東京大学文学部卒。
新しい「性の公共」をつくるという理念の下、重度身体障がい者に対する射精介助サービス、風俗店で働く女性の無料生活・法律相談事業「風テラス」などで現代の性問題の解決に取り組んでいる。
2014年社会貢献者表彰。著書に『はじめての不倫学』『性風俗のいびつな現場』『セックスと障害者』『セックスと超高齢社会』『「身体を売る彼女たち」の事情』など。

内容説明

経済的困窮におかれたシングルマザーの中で、デリヘルなどの性風俗店で働く人たちが増えている。首都圏に比べて賃金も低い、働き口も少ない、行政の公的サービスも十分ではないという地方都市において、「性風俗シングルマザー」はどのように仕事と育児をこなし、貧困から脱出しようともがいているのか?地方都市で困難な状況に直面する彼女たちと社会福祉をつなげようと、性風俗店での無料法律相談を実施する著者が、現場の声を丹念に拾いつつ、単なるルポの枠を超えて、具体的な問題解決策まで提案する。

目次

第1章 地方都市の風俗店で生きるシングルマザー
第2章 生活と子育てを安定させるために
第3章 義実家という名の牢獄
第4章 たった一人の自宅出産
第5章 彼女たちが「飛ぶ」理由
第6章 「シングルマザー風俗嬢予備軍」への支援
第7章 風俗の「出口」を探せ
第8章 「子どもの貧困」と闘う地方都市
終章 「家族」と「働く」にかけられた呪いを解く

著者等紹介

坂爪真吾[サカツメシンゴ]
1981年、新潟市生まれ。一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。東京大学文学部卒。新しい「性の公共」をつくる、という理念の下、重度身体障害者に対する射精介助サービス、風俗店で働く女性の無料生活・法律相談事業「風テラス」などで現代の性問題の解決に取り組んでいる。2014年社会貢献者表彰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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はじめさん

20
育った環境が二親、片親関係なく、立派に社会生活送っている人はたくさんいて、そういう人たちは別にメディアでは取り上げられない。DVとか一部の家庭がクローズアップされ、ひとまとめにされている感はあるが、貧困の連鎖という点で見れば、貯蓄が少なく、高校も中退しているシングルマザーがそれなりの高収入で親子の生活の質を向上させようとするなら夜の世界に行くしかない。地方都市だと、無法ネット掲示板とかで誹謗中傷や前の店の源氏名暴かれたり、別れた夫が客として凸してきたり…。 / 結婚して、夫に内緒で風俗で働く…はアウトかな2020/01/09

すけまる

17
性風俗で働くシングルマザーについて、現状と課題を具体例を交えながら、俯瞰的に、客観的に説明する。これ系の本では中村氏の本を読んだことがあるが、そちらは視点がミクロ過ぎて希望も何も見えない状態だったが、この本はやや俯瞰的な視点なので、セーフティネット的な部分にも触れている。「風テラス」という風俗で働く女性の生活相談窓口があることは初めて知った。また、風俗では託児所付きの所もあり、情報共有の場にもなり、シンママのセーフティネットとしての側面もあることも触れていた。偏見を捨てさせ、勉強になる一冊だった。2020/03/06

田中峰和

9
貧困の連鎖。本書で紹介される風俗ママたちはシングルマザーに育てられたケースが多い。2世代にわたり10代で出産すれば、祖母の年齢は30代。結婚しないで別々の相手の子供を続けて産むケースも多い。産児制限ができないのか、子供好きなのか。風俗に勤めてまで子育てに励みたいのか。悲惨なのは40代になってから風俗嬢を始める女性。加齢のせいで、条件も劣悪になり収入確保も困難になる。貧困家庭に育ち、学力不足で高校中退の彼女たち。同情はするが、このままではだめだ。避妊に注意して無責任な男に近づかないよう、気を付けてほしい。2021/09/01

くろねこ

8
著者の話をきく機会があり読みました。個々の事例から問題点を考え、現在の取り組み、そしてこれからどうしていくとよりよくなるか、という提言に繋がっていく。こういう現場から社会制度までを考えていく姿勢が良いですね。この社会の中で生きている以上、何事も他人事ではない、そこから始まると思います。2020/02/09

bapaksejahtera

7
以前同著者の「性風俗のいびつな現場」を読んだ。やや救いのあるルポであったが、本書は扱う世界は同じものの極めて深刻である。性風俗業に従事する、母となった女性達のルポである。未熟な男女関係から生ずるシングルママ。彼らの幾分かは性被害の経験者であり明らかに広汎な発達障害を抱える。著者は真摯に女性達への支援策を幅広く提案する。本書が明らかに指摘するように良くも悪しくも濃密だった地域社会は崩壊し、家庭や子供への修復力は著しく劣化した。一人親への負担はいや増す。これらを行政任せにする事は不可能だしすべきではない。はて2020/11/28

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