集英社新書<br> 「他者」の起源―ノーベル賞作家のハーバード連続講演録

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「他者」の起源―ノーベル賞作家のハーバード連続講演録

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  • サイズ 新書判/ページ数 189p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087210859
  • NDC分類 943
  • Cコード C0298

出版社内容情報

なぜ人は「他者」を差別し排除してしまうのか。
黒人初のノーベル文学賞作家が、米社会や白人文学の欺瞞を突き、そのからくりに迫る。

内容説明

社会の分断やヘイト運動が世界中で大きな問題となっている。なぜ、人の心は「よそ者」を作り出し、排除や差別をしてしまうのだろうか?本書は、アフリカ系アメリカ人初のノーベル文学賞作家トニ・モリスンが、そんな「他者化」のからくりについて考察した画期的論考。過去の白人作家たちが作品に隠蔽した人種差別を暴き、その欺瞞を鋭く突きながら、一方で自著の解説と作品の仕掛けも大胆に明かしていく。

目次

第1章 奴隷制度の「ロマンス化」
第2章 「よそ者」であること、「よそ者」になること
第3章 カラー・フェティッシュ(肌の色への病的執着)
第4章 「ブラックネス」の形状
第5章 「他者」を物語る
第6章 「よそ者」の故郷

著者等紹介

モリスン,トニ[モリスン,トニ] [Morrison,Toni]
1931年、米国オハイオ州生まれ。コーネル大学大学院で英文学修士号取得。70年、『青い眼がほしい』でデビュー。以後、『ソロモンの歌』で全米批評家協会賞、アメリカ芸術院賞、『ビラヴド』でピューリッツァー賞受賞。89年~2006年、プリンストン大学教授。93年、アフリカ系アメリカ人として初のノーベル文学賞受賞

森本あんり[モリモトアンリ]
1956年、神奈川県生まれ。国際基督教大学(ICU)教授・学務副学長。著書多数

荒このみ[アラコノミ]
1946年、埼玉県生まれ。米文学者。東京外国語大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

127
他者を作ることで自己を知る。境界を作り、他者と自己を分ける。その考察をするのに、殊更にcoloredの視点が強調され、毒が流れ出している。彼女の言いたいこと、『アンクルトムの小屋』に隠された欺瞞や差別的視点は、勿論見逃してはいけないものの、その彼女自身の視点もまたとらわれているように思えた。では、その捉えてくる主体は何か? 憎しみじゃないだろうか。彼女たちからのネイティブについての語りもして欲しいと思う。2019/10/10

buchipanda3

95
トニ・モリスンによる講演録。演題は「帰属の文学」で、アメリカの歴史や文学において黒人がどのような存在として意識されてきたかについての論考がとても見識の高い文章で述べられていた。「他者化」、つまり他者という定義によって、白人が自身の立場を認識し利己的な安堵をもたらすという歴史的事象が建国以来から繰り返され、またそれを文学によるロマンス化でその意味合いが社会に深く浸透していった。よそ者に対する恐れ、一元的な了見、そういった一面は現代でも色濃く残っているのだと思う。本作で頻出した著者の作品はぜひ読みたい。2020/06/29

アキ

94
Black lives matterがアメリカ全土から全世界に拡がりを見せる中、トニ・モリスン氏のハーバード大学での連続講義を読み、人種差別についておぼろげながらアメリカでの経緯を知ることができた。「人は、差別主義者に生まれるのではなく、差別主義者になるのである。」という言葉は、差別主義者という言葉を何にでも置き換えることができると感じた。アメリカでは黒人をアフリカ出身、奴隷出身、肌の色合いなどで異なる立場を表わすことに戦慄を覚える。白人は黒人を意識して白人になるという文学作品を例に、著者が言うように⇒2020/09/01

やいっち

77
人種差別の問題は白人作家も扱ってきたが、その中には巧妙に、あるいは築かないままに隠蔽された差別の構造があり、欺瞞がある……といった論考なら、いろんな学者がもっと鋭く分析して示しているかもしれない。同じ黒人でも生粋の黒人か、白人の血の混じった黒人か。ブラック・イズ・ビューティフルという表現はあり得る(あった)が、ホワイト・イズ・ビューティフルはない。それはなぜなのか、などなど。トニ・モリスンの本書は、作家ならではの視点もだが、文学作品という形でないと表し得ないと指摘している点に特色がある。2020/02/10

とよぽん

61
高橋源一郎さんのラジオ番組「飛ぶ教室」で取り上げられた本。アフリカ系アメリカ人として初のノーベル文学賞を受けた作家・思想家。人間は「他者」と出会うことで初めて自己の何たるかを知り、そこから差別が生まれる、と。「私たちは人間という種なのだ。それだけのこと」とモリスンは人種という用語を規定する。鮮やかだ。人種がイデオロギーとして利用されることを「人種主義(レイシズム)」ととらえる。アメリカの歴史は黒人なしでは成り立たなかった。とても深くて鋭い考察。モリスンの小説『ビラヴド』を是非読みたい。2021/01/30

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