出版社内容情報
解釈改憲の動きとあわせて考えると共謀罪が施行された今、すでに法的な安全装置は外れ、新たな戦時体制が確立され警察国家がよみがえっている。治安体制の歴史と現在を知ることで抵抗の糸口を探る。
荻野 富士夫[オギノフジオ]
著・文・その他
内容説明
二〇一七年に成立、施行された「テロ等準備罪」こと共謀罪法。共謀の判断基準も曖昧で、治安維持法との類似を指摘する識者も多いこの法はすでに動き出している。シーレーン防衛等の従来の動き、集団的自衛権をめぐる解釈改憲、特定秘密保護法等と合わせて考えれば、国益を追求する一方で、「テロ防止」「治安維持」を口実に反対する者を監視、抑圧する「戦争ができる警察国家」ともいうべき治安体制がよみがえっている。国家の暴力装置たる警備公安警察等の権力の恣意的な運用を抑止、是正するために必要なのは何か。戦前の治安維持法、特高警察など治安体制の専門家が戦時体制の歴史をふまえ、現状分析したのが本書である。
目次
はじめに 「来るべき戦争準備」に抗するために
第1章 戦時体制の形成と確立―どのように日本は戦時体制を作っていったのか
第2章 戦時体制の展開と崩壊―どのように治安体制はアジア太平洋戦争を可能としたのか
第3章 戦後治安体制の確立と低調化―速やかな復活にもかかわらず「戦前の再来」とならなかったこと
第4章 長い「戦後」から新たな「戦前」へ―どのように現代日本は新たな戦時体制を形成してきたのか
第5章 「積極的平和主義」下の治安法制厳重化―新たな戦時体制形成の最終段階へ
おわりに 再び多喜二に学ぶ
著者等紹介
荻野富士夫[オギノフジオ]
1953年埼玉県生まれ。小樽商科大学名誉教授。早稲田大学文学部卒業。専攻は日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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