出版社内容情報
“鬼平"でお馴染みの「火附盗賊改」。だが、その実像を知る人はどれだけいるだろうか。同じく江戸の治安を預かる町奉行とは何がどう違ったのか。盗賊との対決を軸に、彼ら武闘派旗本たちの素顔に迫る。
丹野 顯[タンノアキラ]
内容説明
本著では、凶悪な盗賊一味との対決を軸に、その誕生から変遷、彼らならではの捕り物、苛烈な詮議の様子、幕臣の中での位置づけ、人情味あふれる素顔まで、豊富な資料をもとに、旗本の中でも武闘派の猛者ぞろいだった火盗改の実像に迫る。
目次
第1章 戦国の争乱から「徳川の平和」へ
第2章 最初の火附盗賊改
第3章 将軍吉宗の江戸
第4章 日本左衛門vs.徳山五兵衛
第5章 二人の長谷川平蔵
第6章 火附盗賊改の行く末
第7章 最後の火附盗賊改
著者等紹介
丹野顯[タンノアキラ]
1940年、東京生まれ。作家。東京教育大学文学部卒業。月刊誌、百科事典などの編集者を経て文筆活動に入る。専門は江戸庶民の生活史、精神史。「淡野史良」の筆名でも著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
46
言わずと知れた鬼平で有名な、火附盗賊改の成り立ちから内情までを詳しく記した本。当時の警察機構や犯罪の背景、町奉行との違いがよくわかる。町奉行はほぼ世襲制で捜査の叩き上げだったのに対し、盗賊集団の殺戮が目的の火附盗賊改。指名される歴代先手番組の方々の荒くれっぷりがすごい。その中でも、やはり長谷川親子は傑出してます。鬼平犯科帳ファンとしては松平定信の冷淡な評価というのにも驚く。長浦京さんの『赤刀』もこういうことなのかと。うーん、面白かった。2018/08/09
金吾
31
○創設から廃止まで火付盗賊改の歴史をトップに焦点をあて書いています。鬼平以外の人の話も面白かったですが、やはり鬼平がメインと感じました。松平定信との関係等興味深いものがありました。2025/03/02
スー
20
36鬼平犯科帳をテレビで見てたので火附盗賊改と言えば長谷川平蔵ですが200人近くが任命されていて江戸初期の戦が無くなり行き場を失った風魔衆等の荒れくれ者達が相手なので火附盗賊改は武闘派を集めたのでかなり乱暴で無茶苦茶やっていたようで平蔵は鬼どころか仏で庶民から人気があったけど田沼に目をかけられていたので田沼失脚後は出世ができなかったそうです。江戸時代はけっこう物騒だったんですね意外でした。2020/03/12
サケ太
20
『鬼平犯科帳』にて“鬼平”こと長谷川平蔵が就いている役職である印象が強い「火附盗賊改」。しかし、その職務経験者は約200名いるという。更に火附盗賊改を経験したものは大体昇進(上に役替え)しているが、平蔵はそうはならなかった。当時の文章を引用しつつ、「火附盗賊改」の実像に迫る。鬼勘解由、山川左衛門、進喜太郎成睦、横田 松房などの人物を知れたのも面白い。鬼平の評判。幕末の警察機能について知る事が出来て良かった。2018/09/07
4fdo4
8
「火盗改メ」って言えば”鬼平でしょう”っていう貴方も、そうでない方も楽しめる1冊。 帯に書かれている「泣く子も黙る”殺しのライセンス”」ってのは伊達ではない。 町方の奉行所と違い、設立当時は賊を見つけ次第殺すのが役目であった。 ちなみに「火付盗賊改方」とは時代によって変遷していくが、「火附改」「盗賊改」「博奕改」の三者が吉宗の時代に一体になったものである。うーん知らなかった。 そしてもっとびっくり、長谷川平蔵って二代目だったと。うーん。知らなかった。2017/04/24