出版社内容情報
ビッグバン以前の宇宙を描き出すインフレーション理論。その実証実験の第一人者である著者が、宇宙マイクロ波背景放射や原始重力波など、観測の最先端を明らかにする。
内容説明
一三八億年前、宇宙が誕生して僅か一兆×一兆×一兆分の一秒後に発せられた信号を捉えることができたとしたら…。著者が率いる宇宙背景放射、原始重力波の観測プロジェクトは、ビッグバン以前の宇宙を描き出すインフレーション理論を実証する壮大な計画である。宇宙開闢の謎を解き明かすべく、本書は「波」「空間」「スペクトル」など物理学の基礎から「Bモード偏光」など最新の概念までを分かりやすく説き起こす。理論研究者たちが解説する数式の世界では味わうことのできない、最先端実験のスリリングな魅力が明らかに!
目次
第1章 宇宙の「ルールブック」を求めて―素粒子実験から宇宙誕生の瞬間を撮る実験へ
第2章 ビッグバンとCMB
第3章 「空っぽ」の空間
第4章 インフレーション仮説
第5章 原始重力波とBモード偏光
第6章 ポーラーベアの挑戦
第7章 戦国時代のBモード観測―ライバルとの競争、そしてライトバード衛星へ
著者等紹介
羽澄昌史[ハズミマサシ]
素粒子宇宙物理学者。1964年、愛知県生まれ。高エネルギー加速器研究機構教授、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構特任教授、総合研究大学院大学教授。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。専門は素粒子物理学、時空の物理学、実験的宇宙論。ポーラーベア実験では、宇宙背景放射の偏光観測、原始重力波の探索によるインフレーション理論の検証を目指す。将来計画としては、ライトバード衛星を提案している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
- 評価