出版社内容情報
現役の朝日新聞社員である著者が、慰安婦報道、原発報道など一連の「朝日新聞問題」について、「内部」の立場から厳しく徹底的に検証。ジャーナリズムの原点とは何かを、真摯に追求する。
内容説明
現役の朝日新聞社員である著者は、若手記者時代、阪神支局襲撃事件やサンゴ損傷事件を間近で体験し、その教訓をジャーナリスト活動の原点とした。しかし、慰安婦報道(吉田証言)、原発報道(吉田調書)をめぐって明るみに出た朝日新聞の「誤報」は、過去の事件に勝るとも劣らない衝撃的な出来事であった。「もう一度、原点にもどって考えなければならない」という思いで書き下ろされた本書では、当時の記事や第三者委員会の報告書等を仔細に分析し、“当事者”の立場から、厳しく、真摯に一連の問題を検証する。
目次
第1章 そもそも慰安婦報道問題とは何か
第2章 記事を取り消しながら謝罪なし―慰安婦報道の2014年検証記事
第3章 池上コラム問題と元朝日記者へのバッシング
第4章 衝撃的な吉田調書報道とその取り消し
第5章 「重大な誤り」―吉田調書報道への見解
第6章 「読者の信頼を裏切るもの」―慰安婦報道への報告書
第7章 朝日新聞は原点に帰れ
著者等紹介
徳山喜雄[トクヤマヨシオ]
1958年生まれ。朝日新聞記者。ベルリンの壁崩壊など一連の東欧革命やロシア・旧ソ連諸国の解体、中国、北朝鮮など旧共産圏を数多く取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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緋莢
15
「従軍慰安婦報道(吉田証言)」、「吉田調書誤報」、「池上彰コラム未掲載」2014年、立て続けに問題が発覚し、批判にさらされた朝日新聞。 何故、長年にわたり、誤りを訂正出来なかったのか?誤報を起こしてしまったのか?そして、謝罪できなかったのか?「朝日新聞よ、原点に帰れ!」 若手記者時代、阪神支局襲撃事件やサンゴ損壊事件を間近で体験してきた、 現役社員でもある著者が、“当事者”として、一連の問題を検証する。 2015/12/12
Aby
5
他の方も書いてみえるが「どうして,この本は朝日新聞出版から出てないの?」 裏付け調査を行わず,欲しい文言を利用する状態になっていた.タブロイド新聞ですな.そういえば「ニュースの天才」という映画もあったな.2015/11/16
Mt. G
2
吉田証言(慰安婦)と吉田調書(福島原発)に関する誤報、池上コラム掲載見送り問題を朝日新聞の現役記者が検証した本。誤報そのものよりもその処理の仕方が情けないほどダメすぎる。何よりも「誠実さ」に欠けた報道姿勢はシンパシーを得られなくて当然ともいえる。(ただ、問題が起こったときの対応のマズさは朝日新聞に限ったことではなく、日本の企業全般も同じ。)こうしてもっと内部から批判の声がでてくることに期待します。というか、まずこの本を朝日新聞出版から出したらよかったのに。(細かいことなので別にいいんですが。)2015/08/05
Taq Asaq
1
この問題に関する本は2冊目。まるで興味津津のようだけれど、実はそんなでもない。手に取ったのは、極めて個人的な、ある理由により。つまらなかったら読むのやめようと思ったのだけれど、なかなかどうして、問題の所在がしっかり整理されていて、ジャーナリズムの立場から冷静な批判が加えられていたのでさくっと読み切れた。少し前に、匿名の記者連が書いた新書は、「うちよりひどい新聞社もあるのに、どうして俺たちだけこんな目に!」というルサンチマンを随所に感じ、気持ちは分かるが、決して読後感の良い物ではなかったのとは対照的だった。2015/06/03
k.kishida
0
吉田証言問題、吉田調書問題、池上彰問題のいわゆる朝日新聞問題を現役の朝日新聞記者が扱った新書。朝日新聞問題の歴史特に慰安婦問題について整理されているので、問題を整理するのに役立つ書物です。巻末には該当する新聞記事が収録されているのも便利です。筆者がするどく本問題について意見を述べているわけではなく、その指摘はほとんどが常識的な範囲といえるものでしたので、そこはあまり期待しないほうがいいいです。2015/06/22
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- 和書
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