出版社内容情報
安倍政権下の新聞報道は「応援団」vs「アンチ」という構図で分断され、全く異なる主張や論調が飛び交っている。本書では、各紙の報道の“背景"を読み解き、情報収集のコツを具体的に解説する。
内容説明
憲法改正、集団的自衛権、秘密保護法、靖国参拝、アベノミクス、対中・対米外交…。新聞は、それらをどのように報じた(報じなかった)のか。主要紙は「読売・産経・日経」vs「朝日・毎日・東京」という構図で分断され、相反する主張や論調が日々飛び交うなかで、私たちは何を信じればいいのか?本書では、各紙の報道の“背景”を読みとり、立体的に情報を収集するコツを、実際の記事に即して具体的に解説。また、安倍官邸の巧妙なメディア操作の手法についても分析を加える。この一冊で「新聞の読み方」が変わる!
目次
第1章 「改憲」へのスタンス
第2章 秘密保護法をめぐる報道
第3章 二分化する集団的自衛権報道
第4章 靖国神社参拝とNHK会長騒動
第5章 原発とどう向き合うか
第6章 アベノミクスと経済報道
第7章 外交報道の読み解き方
著者等紹介
徳山喜雄[トクヤマヨシオ]
1958年生まれ。朝日新聞社記事審査室幹事。写真部次長、AERAフォトディレクターなどを経て現職。東欧革命やロシア・旧ソ連諸国の崩壊などを取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びす男
34
最近、重要な政治課題に次々と手を出す安倍政権に警鐘を鳴らす新書が多い。こういう本が増えていること自体が、新聞テレビなどでは報じきれないほど重要かつ複雑な局面が増えてきたことの証左であろう。「多様な考えがあるのは健全なことなのだが、報道機関が意見をいいっ放しにし、成熟した議論ができていないのではないか」。各新聞からの引用や比較がベースなので本としての面白さには欠けるが、マスメディアが強力な政権を監視しうるだけの報道ができていない現状がよく示されている。非常に憂慮すべ事態だと感じる。あとで書評かきます。2014/09/10
壱萬参仟縁
23
安倍官邸のメディア戦略。安保、原子力政策への賛否(11頁)。第三の道を提起できるメディアが求められる(15頁)。特定秘密保護法の参院強行採決は、政権の拙速さに不安、不信感をもった人も多い(38頁)。私は公職選挙法との関係を問いたい。図書館の人間も選管ポスターで投票を呼び掛けるポスター張るなら、なぜ12.10~施行のポスターを張れないのか。説明はない。警察もやってみなければわからないだと。原発事故で手抜き除染のスクープは13年度の日本新聞協会賞を受賞(132頁)。 2014/12/05
おさむ
17
新聞ウォッチャーが、2012年からの安倍政権の政治、外交、経済の足取りを新聞報道から辿る。ここまで新聞の二極化、分断が進んでいることに唖然。政権の狡猾なマスコミ戦略によるものだとすれば、空恐ろしい。テレビ報道の影響についても知りたくなった。2014/08/31
korrya19
16
第二次安倍政権発足から今年の夏までを在京新聞六紙がどう報道したかを比較したもの。著者は賛成反対の二極化が進んでいることを危ぶむ。 恐ろしいことは、二極化によって大切な問題が十分に話し合われぬまま、数の理論で多数派に押し切られてしまうこと。確かに、そんな事が安倍政権になってから一杯あった。少数派イコール弱者が切り捨てられることはあってはいけないでしょう。 総選挙を前にウッと考えさせられました。2014/12/05
2ndkt
9
▽安全保障や原発など、国の重要課題をめぐる論調が「朝日、毎日、東京新聞」と「読売、産経、日経新聞」の二つのグループに分かれる「二極化現象」を起こしていると指摘。朝日関係者によるものなので、「朝日、毎日、東京」びいきの書籍だと予想したが、特定の新聞に入れ込まずに分析している。▽各紙、それぞれの論調があるのは当然だが、本書でも紹介されたような「Op-ed(欧米の新聞に多い社説に対抗するページ)」を各紙が積極的に掲載すれば、どちらかの側の新聞しか読まない読者も、バランスよく重要課題の認識を深められると思った。2014/09/05