出版社内容情報
バブルには死角がある! 実は日本人の富が強者に流れていくカラクリが、さまざまな制度に埋め込まれてしまっている。消費税、新会計基準、為替介入、金融緩和……。その裏の仕掛けを解き明かす!
内容説明
消費税・新会計基準・為替介入・量的緩和の陰で国富は奪われ国益が損なわれる。消費税も新会計基準も表の顔と違う側面がある。為替介入でも国富はアメリカに流出していく。日本国民が必死に働いて生み出してきた富を掠めとっていく裏の仕掛けとはなにか。1%のグローバル強者に対抗して、99%の我々が知的武装をするための必読書。
目次
第1章 消費税というカラクリ
第2章 税制の裏に見え隠れするアメリカ
第3章 時価会計導入で消えた賃金
第4章 失われた雇用と分配を求めて
第5章 為替介入で流出した国富
第6章 バブルの死角
著者等紹介
岩本沙弓[イワモトサユミ]
大阪経済大学経営学部客員教授・金融コンサルタント・経済評論家。1991年より日・米・加・豪の金融機関にてヴァイス・プレジデントとして外国為替、短期金融市場取引を中心にトレーディング業務に従事。青山学院大学大学院国際政治経済学科修士課程修了。金融機関専門誌「ユーロマネー」誌のアンケートで、為替予想部門の優秀ディーラーに選出(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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通勤の友本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
16
経済学に疎いことを前提で、これは面白かった・・というより、熟読玩味の味わいありかな。 バブルが繰り返される中で、今はグローバル化して行っている。今後は中間層の貧困化を伴うスクリューフレーションを予測している箇所は頷ける。 日米双方に中間層の弱体化、消滅が起きており、1%の企業がうまみを吸う図式が始まっている。 政府主導での株主配当金の抑制や正規雇用者を増やす政策、小泉政権で悪役化したものでない公共事業の活用、エネルギー源の確保の提唱も頷けた。 2013/08/24
メタボン
12
☆☆☆☆ 岩本氏の目の覚めるような著作。付加価値税=消費税の裏側に輸出還付金という制度があることや、円売りドル買い介入したドル資金で膨大な外債購入をしていることなどにより、我々中間層が大企業やアメリカに搾取され続けているというカラクリが初めてわかった。そう言えば時価会計の導入についても、外国投資家に阿るうさんくさい制度変更のような気がしたものだ。著者はこのままでは2016年以降に世界恐慌が訪れると予見している。それを防ぐためにも、日本の経済政策の舵取りはますます精緻になることが求められる。2014/05/25
coolflat
8
なぜか消費税だけは日本は米国に倣わずに欧州に倣っている。日本の消費税とは欧州で言う付加価値税である。米国は付加価値税を導入していないのである。また消費税とは輸出企業にとっての打ち出の小槌だと言う。即ち、輸出還付金である。実は欧州で付加価値税が普及したのは、輸出企業への補助金としての役割が最初から期待されていたという歴史的背景がある。翻って米国が付加価値税をなぜ導入しないかという疑問が出てくる。著者は米国が輸出で稼ぐ国ではなく、金融帝国に転換したのが理由だと言う。海外に投資して利潤を拡大するのが目的なのだ。2014/07/22
バーベナ
7
経済オンチにも理解できるように、分りやすく書かれているし面白かった。消費税のカラクリに、時価会計を導入した理由。輸出還付金の名の下に、消費税が一部の輸出企業に還付されているのは、もっと広く知られてもよいのでは。その成り立ちを責めるとかではなくて、もっと日本全体の資産を守るための方策を、皆で考えられたら良いのに。2013/12/31
katakuli365
7
富める者が富めば貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン理論)は2000年以降の景気回復時にそうはならず。日本はアメリカの金融戦略で金融ビッグバーン、2000年、原価会計より時価会計に。結果、含み損の吐き出し、株の売りの悪循環、外国人持ち株比率90年5%が2010年に26%に。よって内部留保金、株主配当優先、グローバル競争ゆえのコスト(人件費)削減で中間層に還元されず。また貨幣戦略で01~2011年で58兆のアメリカ国債購入、ドル高、バブル、ドル安とアメリカの借金棒引き戦略に組み入れらている。2013/09/29