出版社内容情報
『GANTZ』の素は“SF映画"にあった!
著者は新旧のSF映画をくまなくチェックしている映画通の漫画家である。
『GANTZ』に代表されるように自身の創作とSF映画との関係は強く、本書ではキャラクター論、美術デザイン・CG技術にいたるまでを独自に解説する。
内容説明
漫画家・奥浩哉にとって、SF映画は自身の創作に大きな影響を与えるものである。本書では、クリエーターとしてインパクトを受けた名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などの超メジャー映画からマイナーB級映画まで、約一〇〇作品を紹介。脚本力や演出力とは何か、キャラクター論、コミックス原作映画への思い、漫画家から見たカメラワークや構図、CG制作・美術デザインにいたるまで、独自の視点でおおいに語る。
目次
序章 漫画家が映画を語る理由
第1章 脚本力と設定力を楽しむ!
第2章 超私的「キャラクター」論
第3章 名シーンのつくられ方
第4章 アニメと漫画と映画の関係
第5章 美術デザインを愛でる映画
第6章 CGとSF映画の今昔物語
著者等紹介
奥浩哉[オクヒロヤ]
1967年生まれ、福岡県出身。漫画家。『変「HEN」』でデビュー。2000年から『週刊ヤングジャンプ』で『GANTZ』の連載を開始し、2004年にテレビアニメ化、2011年には二部作で実写映画化された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
anco
10
SF映画、ハリウッド映画というと、お金をかけた割にあまりおもしろくないというイメージがあったのですが、この本を読むとそういった映画もおもしろそうに思え、もう一度見てみたくなりました。GANTZの製作談でもあり、SF映画の案内本でもある気軽に読めるおもしろい一冊でした。2015/01/27
たかやん
9
ガンツを読んだことないのでディテールはわかりませんが少なくともガンツがSF漫画であるにも関わらず著者のSFに対するこだわりに触れられてなかったのは残念。なのでSF映画論というより著者のSF映画紹介本だった。それでも個人的に好きなバーホーベン&カーペンター両監督をけっこう取り上げられてたのでそこはグッド。最後の方で「Xーメン」は「マトリックス」の黒ずくめ衣装の影響受けたと書かれてましたが、ガンツの黒ずくめ衣装はどうなんでしょうか?2016/04/16
百鉄
7
「GANTZ」の漫画は未読、映画は未見です。それでも、この本は面白かったです。1人のクリエーターがどのように映画を観て、それを自らの作品に活かしているのかが垣間見えました。何よりも著者の映画に対する愛情が文章の端々から溢れている。変に通ぶらず、有名な作品を紹介しているのも好印象♪ ただ、たまに映画のネタバレをしている箇所があります(^^; 所々に挟まれる挿し絵は、さすがのクオリティ!!2012/05/21
ハイちん
6
最近のぼくは映画評論をたくさん読んで、映画に詳しくなったつもりになっているが、とりあげられている映画はほとんど見たことがない(笑)。ぼくはどうも映画をみるのが苦手だ。じっと画面を眺めるのがどうも。でも、ぼくの好きなエンターテイメント系の作家さんはみんな映画が好きだ。好きというかマニアだ。映画は多様な芸術表現が可能な優れたメディアなのだ。ぼくもどうにか映画を分析的に鑑賞できるようになりたいものだ。GANTZは何度も読みあさった。「だれも見たこともないものを描くために、ぼくは映画をみるのです」なるほど。2015/06/12
ミツ
6
かのエログロSFアクション漫画『GANTZ』の作者が語るSF映画論、というよりかは作者の好きなハリウッドSF映画の粗筋と見どころ紹介といった感じか。扱う作品も約100作品と多く、最新の作品にも触れつつメジャーなものからB級まで雑多に紹介しているのは良かった。紹介作品もどれも元々そこそこ評価の高いものなのでハズレは少なそうである。『GANTZ』が好きでハリウッド映画も好きなら流し読み程度に読んでおくといいかもしれない。ただし所々作品のネタバレがあるので注意。2012/08/10