出版社内容情報
『ジョジョ』の原点はホラー映画にあった!
『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦が、自身の創作との関係を語りながら独自のホラー映画論を展開。描き下ろしイラスト多数!
内容説明
荒木飛呂彦がこよなく愛するホラー作品の数々は、『ジョジョの奇妙な冒険』をはじめ、自身が描いた漫画作品へも大きな影響を与えている。本書では、自身の創作との関係も交えながら、時には作家、そして時には絵描きの視点から作品を分析し、独自のホラー映画論を展開する。巻頭には「荒木飛呂彦が選ぶホラー映画Best20」も収録。ホラー映画には一家言ある著者の、一九七〇年代以降のモダンホラー映画を題材とした偏愛的映画論。
目次
まえがき モダンホラー映画への招待
第1章 ゾンビ映画
第2章 「田舎に行ったら襲われた」系ホラー
第3章 ビザール殺人鬼映画
第4章 スティーブン・キング・オブ・ホラー
第5章 SFホラー映画
第6章 アニマルホラー
第7章 構築系ホラー
第8章 不条理ホラー
第9章 悪魔・怨霊ホラー
第10章 ホラー・オン・ボーダー
著者等紹介
荒木飛呂彦[アラキヒロヒコ]
1960年6月7日生まれ、宮城県仙台市出身。東北学院榴ヶ岡高等学校卒業後、仙台デザイン専門学校卒業。80年に『武装ポーカー』で「少年ジャンプ」デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
131
面白い漫画を書く漫画家は論評を書いても面白い、とは限らないがこの本に関しては実に充実した内容。荒木飛呂彦の作品を読んだことのない人でも単体のホラー映画入門書として読めると思う。映画の内容や解説が実に巧みでいろんな作品が見たくなる。特に私はゾンビ映画をあまり見ていないので第一章のゾンビ映画に関する考察はたいへん参考になった。2012/08/03
中玉ケビン砂糖
90
、『バオー来訪者』やいくつかの短篇『死刑執行中脱獄進行中』(だっけ?)でなんとなく感づいたが、この本を読んで、著者が優れたホラー映画評論家であることは間違いない、と確信した、アレクサンドル・アジャというゲテモノ監督を偏愛している様子や、「田舎に行ったら襲われたシリーズ」など、ホラー映画あるあるを見事にカテゴライズしてくれていて面白い、低予算でつくられた一発映画も丹念に拾い上げてくれているところに好感が持てる2015/02/12
財布にジャック
76
ちょっと前まではホラーは苦手でした。というよりも、苦手だと思い込んでいました。でも、最近少しずつ小説もホラーが読めるようになり、この調子で怖い映画も頑張って観てみようかなと思い始めていたところでした。このタイミングで大好きな荒木先生のホラー映画論が読めるなんて凄くラッキーです!100作品中18作品しか観たことがないのですが、残りの82作品を、着々と借りてみようかと思わせるような興味深い内容でした。荒木先生の漫画に影響を与えた映画も数々紹介されていて、荒木先生ファンとしてはかなり得した気分です。2011/06/30
Y2K☮
47
「ノーカントリー」はこっちだった。「リング」の95年TV版はリアルタイムで見た。他と内容が違うなあと思ってたけど、あれの方が原作に忠実なのか。「変態村」のダンスシーンも見た。あれはやばい。言葉に変換不能。ゾンビの平等性に癒されるという感性は?だが、ホラー映画を見る事でタブー視されがちな人の汚くて生々しい面を疑似体験できるというのは一理ある。「アイデンティティ」と「ファイナル・デスティネーション」が気になる。映画を見たいと思わせる著者の文章術にも感服。私も「これ読みたい」と思って貰えるレビューを心掛けたい。2016/04/14
小早敷彰良
40
現在ホラー小説を書いているので資料として購入しました。内容は「荒木飛呂彦さんが」「ホラーの醍醐味を語り尽くす」という点が特徴。ホラーの種別が章ごとに分類されてその定義、醍醐味、実際のおすすめタイトルが軽い語り口で次々に紹介されます。スティーブンキング作品で一章丸々使われているところが特にグッときました。私はホラー全般がとても苦手で、自分が書いている文章にすら怯える始末なのですが、何本かどうしても観てみたくなっています。明日にはきっと観ずにはいられないでしょう。ホラー入門〜中級の方に是非。2018/09/16