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集英社新書
大名屋敷の謎

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  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087204469
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0221

内容説明

小説・落語・映画・テレビ・芝居等でも舞台になることが多い大名屋敷。しかし、よく知られているようで、その実態を理解している人は少ない。本書は、その住民(勤番武士)の体験談・見聞記、出入りする商人の残した史料などをもとに、大名屋敷の幕末から明治期に至るまでの実像をわかりやすく紹介する。また、リサイクルの観点から話題になる「肥」の活用などについては、今に残る豪農・中村家文書を丁寧に分析し、江戸を支えた「肥」経済の実態を実証的に解明する。同時に、中村家や出入りした商人たちの幕末・明治興亡史としても楽しめる。

目次

第1章 大名屋敷に暮らす人々―謎の私生活(御膝元の威容;堅苦しい殿様の生活;江戸勤番侍の長屋ライフ)
第2章 屋敷に出入りする人たち―江戸の競争社会(江戸の御用達商人;豪農、大名屋敷御用に参入する)
第3章 江戸藩邸御用をめぐる熾烈な戦い―江戸の巨大ビジネス(尾張藩御用聞中村家の誕生;汲み取りというコミッションビジネス;庭園の整備;資料相場の乱高下と資金力)
第4章 江戸の動乱と人材派遣ビジネス―江戸のバブル経済(過熱する江戸近郊市場;イギリスとの開戦騒ぎ;名声を求める)
第5章 大名屋敷の消滅―東京の誕生(官軍、江戸に入る;激減していく武家地の人口;廃藩置県と東京の激変;東京の軍都化)

著者等紹介

安藤優一郎[アンドウユウイチロウ]
1965年千葉県生まれ。歴史家。文学博士(早稲田大学)。東京理科大学生涯学習センター、法政大学エクステンション・カレッジ講師などを務める。日経BPセカンドステージで江戸散歩の連載を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

20
生活感がある話であり面白かったです。特に糞尿の話、アロー戦争と日本の関わりの話は良かったです。2024/01/19

maito/まいと

7
あまり、巷で注目されていないのかもしれないが、インパクト度なら、あの「武士の家計簿」に匹敵する逸作。江戸の大名屋敷の実態を、リアルな実態と共に浮かび上がらせていて、江戸時代のイメージがガラッと変わること間違いなし☆意外にも大名屋敷内の人数がわかっていないこと(軍事機密だったそうな)や、屋敷内の普段の生活ぶり、大名家臣の、江戸でのはしゃぎぶり(笑)など、吹き出してしまう事実には目から鱗です。そして出入りする豪農達の利権闘争まで起きていたとは(驚)価格競争サービス合戦・・・ビジネスぶりも今と変わりません(涙)2012/03/22

cgatocairb

4
B時代劇では分からない大名屋敷の組織図。これを押さえて時代小説を読むとより一層楽しめる!2013/06/11

wang

4
武士の家計簿に匹敵する秀作。江戸の大名屋敷の実態を出入り農家の伝来文書から読み解く。上っ面だけでなく生活面の実態がよく浮き彫りになっている。希少な資料なため偏りがあるが同じような資料が発見されてほしい。2010/12/09

たらら

4
屋敷の下肥を汲み取る特権に始まって、馬と飼葉、人足仕事まで、大名屋敷の兵站を維持していた御用聞の側から見た幕末から維新。第二次アヘン戦争のために英仏が馬と飼料を買い付けにやってきたことからこんなことに! うーん、何だか周縁からばかり江戸学に入ってしまったが、いやおもしろい。2010/03/30

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