集英社新書
永井荷風という生き方

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  • サイズ 新書判/ページ数 219p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087203646
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

今、自由気ままに生きたい現代人のために。
誰もが生き方を模索している現代に、格好の先人がいる。永井荷風である。世間の雑事に惑わされず、数々の浮き名を流しながら、自由気ままに生きた。そんな荷風の生涯を、作品の魅力と共に解説する。

内容説明

人生、老いてますます楽し。永井荷風といえば、天下一品の名文で『歓楽』などを発表して、一世を風靡した文学者であったが、その生き方はかなりユニークで、親類縁者に頼らず、作家仲間と群れることもなく、ケチ、女好きなどと呼ばれながら満七十九年の生涯をたった一人で生き抜いた。死の前日まで、四十二年間にわたって書き続けられた日記『断腸亭日乗』には、永井荷風という作家として、一人の男としての本音が満ちあふれているだけでなく、明治、大正、昭和にわたる社会風俗、性風俗の貴重な記録ともなっている。

目次

初恋のころ
結婚と離婚の本音
日記の執念
女性とのつきあい
気ままな老い
ユニークな食事風景
日和下駄
風流な主治医
反抗精神の裏おもて
口に出さない文明批評

著者等紹介

松本哉[マツモトハジメ]
1943年兵庫県神戸市生まれ。作家・風景画家。神戸大学理学部物理学科卒業後、河出書房新社などで物理・天文の専門書及び啓蒙書の編集に従事したのち、文筆業に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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かわかみ

9
永井荷風の作品はごく一部しか読んだことはないが、老境を自由に過ごした先達の入門書として味わいつつ読んだ。お坊ちゃん育ちの文学青年で若い頃はフラフラしていたが、慶應義塾に勤めながら文学者となった。孤高で風雅な佇まいだが、女性は大好き(素人には手を出さないが)。反面、人の好き嫌いが激しくて気難しいし、外食好きの美食家かと思えば、それぞれの店ではいつも決まったものしか食べない。そして整理整頓ができずに独居の間はいつも散らかっていたらしい。方丈記の鴨長明に似ているところもあるが気難しい人は孤独が好きなのだろう。2025/08/06

i-miya

5
((2006.11読了))2006.10、1943 神戸生まれ『寺田寅彦は忘れた頃にやってくる』「永井先生はいますか」「いない。本人が言っているのだから間違いない」看護婦、初恋の人、お蓮さん、蓮=荷、散人を自認、世捨て人、めっぽう女好き、けち、79年の生涯、M12 1879生まれ 12/3、米仏留学、市川で死亡、明石、岡山疎開、T13 『桑中喜語』桑・・・桑畑でする男女の不義、淫事、愛人一覧表、親、日本郵船、あめりか物語、ふらんす物語、芸者の八重次を嫁にしたおかげでわがいおりは色と情緒のたすきがけ(絵)大2009/08/05

うえ

4
「筆禍ともいうべき困った事態が発生していることも事実で、荷風の日記が原因で、人間関係にさまざまな反響を引き起こしている。「面と向ってその人に喧嘩を売ることの出来ない弱虫には、女のヒステリーのようにどうしても彼には『日記』が必要だったのだろう」と怒っているのは小島政二郎という作家である(『百叩き』二十四)」「鴎外崇拝者として荷風は有名であるから、鴎外全集の出版社が荷風を顧問にしようとした…小島政二郎も荷風に負けぬくらいの鴎外崇拝者で…今回の全集発行に際して荷風は、ことさら小島政二郎の参加をイヤがっている」2015/08/07

さわたり

4
荷風さんの小説は一つも読んでないのですが。いいですねえ。冒頭のエピソードがいい。さすがわ究極の世捨て人。「日和下駄」なんて「ブラタモリ」を思わせるような、へー、がありました。2014/06/30

おつ

3
なんだかんだ読書傾向が偏ってしまってるのが悩みなところ、オフ会でいただき読んでみた。読書傾向だけじゃなくて人間関係も結局偏ってしまうよな、と最近悩みだったのでこんな考えと行動の人もいるんだなとびっくり。 現代にこの人がいたらどんな日常だったのやら。2014/11/09

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