集英社新書<br> 短編小説のレシピ

電子版価格
¥693
  • 電書あり

集英社新書
短編小説のレシピ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 249p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087201659
  • NDC分類 901.3
  • Cコード C0295

内容説明

八百編もの短編小説を生み出してきたマエストロがみずから解説・案内する、短編小説の醍醐味。短いだけに、あらゆる技法を駆使した作品は、おもしろさも多彩。小説作りの源泉と技をも教えてくれる。向田邦子、芥川龍之介、松本清張、中島敦、新田次郎、志賀直哉、夏目漱石、ロアルド・ダール、エドガー・アラン・ポーなど十人の作家の、名作やユニークな作品を具体例として選んで特徴を解説し、短編の構造と技法に迫る。短編小説をより楽しく読むためにも、また書くためにも役立つヒントが満載。

目次

第1章 短編小説はおいしいぞ
第2章 向田邦子『鮒』そして、その他の短編
第3章 芥川龍之介『トロッコ』『さまよえる猶太人』そして、その他の短編
第4章 松本清張『黒地の絵』そして、その他の短編
第5章 中島敦『文字禍』『狐憑』そして、その他の短編
第6章 新田次郎『寒戸の婆』そして、その他の短編
第7章 志賀直哉『赤西蠣太』そして、その他の短編
第8章 R・ダール『天国への登り道』そして、その他の短編
第9章 E・A・ポー『メエルシュトレエムの底』そして、その他の短編
第10章 夏目漱石『夢十夜』そして、その他の短編
第11章 阿刀田高『隣の女』そして、その他の短編

著者等紹介

阿刀田高[アトウダタカシ]
1935年、東京生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。国立国会図書館司書を経て、78年「冷蔵庫より愛をこめて」でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞受賞、95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞受賞。八百を超す幅広いジャンルの短編と丹念な作品創りで知られるが、近年は長編、歴史小説や教養書にも筆をふるう。直木賞、集英社小説すばる新人賞選考委員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kanonlicht

27
名だたる小説家の短編作品がどのような発想をもとにつくられたかを、短編小説の名手である著者が自分の創作手法を交えつつ解説する。小説家には自分の「工房」があり、手にした素材(見聞きしたもの)が同じでも、工作機械によって別の物語になるという話はなるほどと思った。同じテイストの小説を書き続ける小説家はさながら一つの技術を極めた職人で、ミステリーもSFも純文学もいける小説家はたくさんの加工技術を持つ工場。小説が書けない人は、工房の道具が足りなくて素材を加工できないと考えると確かにしっくりくる。2024/03/26

還暦院erk

16
図書館本。スイスイ読了。しかし、これでまた読みたい本が10冊くらい増えてしまった!まずはR.キール『キス・キス』(早川書房)か。阿刀田さんの各短編についての寸止め説明が絶妙で、すぐさまそのお話を最後まで知りたくなるんだこれが。2019/06/01

chie

15
冒頭、短編小説の存在理由が述べられていて、なるほどと肯きはしたものの、一言でまとめるとなると、頭を抱えてしまいます。アンソロジーとかオムニバスが編集しやすいのは、短編小説の魅力の一つだろうなと思います。この本は阿刀田さん自身も含めて10人の作家の作品が俎上にのせられ、阿刀田さんの手によってさばかれています。それぞれの作者がどんな生涯を送り、それがどう作品に絡んでいるのか簡潔に紹介されているのが興味をそそられました。私は読んだことのない本ばかりでしたが、どれもこれも原作を味わってみたくなりました。2019/02/23

MIKETOM

10
短編の名手、阿刀田が短編の魅力を書いた本。文学史に残る短編の名手たちとその代表的作品を取り上げてあれこれ解説をしていく。向田邦子、松本清張、ポー、芥川龍之介、R・ダール等々。このアイデアはこういう発想を経て得られたとかこういう思考法で練られたとか、短編小説家らしい視点からの解説が具体的でよかった。ラストに取り上げたのが阿刀田自身であるのが面白い。短編に生涯を捧げたような阿刀田による短編賛歌であり読書家へ向けた短編のPR書でありもっと短編が広く読まれますようにと祈った本。2018/04/30

シャル

6
タイトルの通り様々な作家の短編小説を、書き手の立場から分解して、楽しみ方や短編小説としてのツボや根底にある心理、さらにはどのように書かれたのかの技法まで解きほぐしてゆく一冊。この筆者特有の読者視点かつ対象物に対してはどことなく恐れを知らない上から目線ぽくもある軽妙な語り口は、上手く読み手の懐に入り込んできて、語っている内容はなかなか踏み込んだ部分であるにもかかわらず、どこか親しみやすさを覚えさせ、短編小説そのものとの距離も縮めてくれる。まさに短編小説を読む人も考える人も書きたい人も楽しめる本。2014/08/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/572634
  • ご注意事項