内容説明
日本でただ一ヵ所、激烈な地上戦が闘われた沖縄。それは住民をも巻き込んだ悲惨極まる戦闘だった。そして戦後半世紀以上を経てもアメリカ軍基地の存在に苦しみ続ける沖縄。冷戦が終結してもなお、基地は必要なのか。普天間基地返還に伴うキャンプ・シュワブ沖への海上ヘリポート基地案の浮上。それはサミットという「アメ」との引き換えの新基地の押し付けでしかない。新資料を駆使して、日米の政治状況やアメリカの世界戦略をも考察しながら、前沖縄県知事の著者が、基地存在の不当性を訴える。基地なき沖縄の明るい未来を視野に入れながら。
目次
第1章 浮上する海上基地
第2章 名護市への海上基地移設
第3章 沖縄の米軍基地における特有の問題
第4章 「サミット」後に向けて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Takako
2
最近、「議員にならない?」の違和感の原因が自分の中ではっきりした。議員になることは手段であり目的ではなく、私が理想とする社会を作ろうとしたときに、議員としてできることが必要だったらその選択をする、というものだと言語化できた。だからビジョンが見えない政治家にも違和感を持つが、著者大田昌秀やフィリピンのジョセフ・エストラーダ元大統領は明確なビジョンを持っており、そのための言動を貫いていたところに憧れる。また本書は沖縄サミットの年に刊行されたもの。続編を書くつもりでその後を調べてみたいことばかり2022/05/06
sansirou
2
沖縄に安保の負担を押し付ける形で今の日本がある。沖縄がなぜそうなのか。これからの沖縄のあり方はどうか。自分さえよければいいのではない。これからの福島にも繋がる重要な話が、論理的に記されている。国民すべてが考えねばならない重要な課題です。2013/08/18
readtuktuk
2
昨日のライヴでソウルフラワーの中川敬が「NO BASE HENOKO」のTシャツを着ていたこともあったし(いつもだけど)、辺野古フェスにも関わってんだからちゃんと本を読んで勉強しようと思って図書館で目に付いた、本書という本を読みました。この本が書かれた2000年までの沖縄基地問題(主に普天間移設関連)についての断片的な知識が自分の中でまとまりました。伊江島の土地接収の反対運動を指導した阿波根昌鴻さんの活動に感銘を受けました。2008/12/21
カネコ
1
○2010/06/24