出版社内容情報
パワハラで仕事を辞め、長崎へ戻った結真は、亡き叔母のマリア観音をそばに置きだしてから悪夢を見るように。心配した母から「古か物にまつわる問題ば解決してくれる」骨董屋を無理やり紹介され…?
日高 砂羽[ヒダカサワ]
著・文・その他
カキネ[カキネ]
イラスト
内容説明
パワハラされて仕事を辞め、故郷・長崎へ戻ってきた結真。東京行きを応援してくれていた叔母の形見のマリア観音をそばに置きだして以来、なぜか悪夢を見るように。心配した母が「古か物にまつわる問題ば解決してくれる」骨董カフェ・一古堂へ、勝手に相談の予約を入れてしまう。しぶしぶ一古堂を訪ねた結真は、店主・司とともに、マリア観音の来歴を調べることに…?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
85
お気に入りさんの感想より「読まんば!」と手に取る。『下鴨アンティーク』長崎版みたいな路線。私も古い物には思いが宿ってると思ってしまうのだけど、実際に声が聞こえたら怖いな。隠れキリシタン、丸山遊女の悲恋、被爆といった辛い歴史と絡めているけど、ライトでちょっと物足りないかも。ご当地の美味しいものがいっぱい登場するのはうれしい。なんだかんだ言いつつ続きが出たら読むやろね。長崎弁レベル高めなので、読みきらん人のおらすっちゃなかかな?2019/01/27
佐島楓
59
長崎の歴史・文化・グルメ・骨董と扱っているテーマが面白かった。司の自己開示を見ていると、結真のことを憎からず思っているんでしょうな。2018/07/24
よっち
30
上京しながらも仕事に挫折して、生まれ育ってきた長崎へ戻ってきた結真。身も心もまだ疲れたままの彼女を心配した母が、『古か物にまつわる問題ば解決してくれる』骨董店・一古堂を紹介し、店主の司と出会う物語。叔母の形見・顔のないマリア観音の問題を解決してくれたことをきっかけに一古堂で働くようになった結真。長崎らしさを随所に描きつついろいろ事件に巻き込まれたりもしましたが、司と協力して解決したりもして、自分を認めてくれる仲間がいて、きちんと居場所があるというのはやはり大きいですよね。続巻あるならまた読んでみたいです。2018/07/31
吊り太郎
28
タイトルに引かれて購入!持ち主の想いが重なったとき、古物は語りだす・・・ 顔のないマリア像・古伊万里の壺・万年筆と物であるのですが、人間の魂が移っている様に感じ、過去の想いが現在で持ち主の道標となっており、物と人の関わり方が大きなテーマの様に思いました!本当に、良い本なので是非、読んで見て下さい!2018/08/01
はるな
15
叔母から貰ったマリア観音を側においてから悪夢を見るようになった結真。「古い物の声が聞こえる」という、骨董店・一古堂の店主である司と共に、その謎を調べ始める。 古い物に込められた想いの真相が分かった時、驚きと感動と切なさがこみ上げてきます。特に一話目のラストで心が震えました。弱さを受け入れる強さ、前に進むために思い込みが必要なこともある、といった司の言葉がすっと入ってきて。が、話が進むにつれて実は性格がねじ曲がっていることが分かってくる(笑)。それもまたこの作品の面白いところ。これ、シリーズ化してほしいな。2018/11/11