内容説明
「星の岩屋」は岩盤が崩れ落ち、祠は何か大きな力で吹き飛ばされていた。裂命星を先に奪われ、怒りをこらえる直江だったが、かすかに残った高耶の気配を感じるのだった。裂命星を奪った赤鯨衆は、白地城攻略を前に嶺次郎と草間の対立が深まっていた。衰弱している高耶は、白地攻めの遊撃隊長に抜擢されるが…。一方蘭丸の命を受け、裂命星を狙って織田の刺客が迫りつつあった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
13
直江は地位も周囲の思いも捨てて高耶さんを守るために行動していることにそれを決心するまでの覚悟と思いにどんなに一人でいようとも周囲によって生きることができる事実との溝に苦しくなります。しかし、赤ん坊を殺してまで謙信に従い、代わりに全てを背負う覚悟を持った色部さんを見ていられないと思い、直江を呼び戻そうと必死になる鮎川さんの気持ちも分かるので己と周囲の思惑に胸が詰まります。2012/01/31
枯伍
11
景虎の魂核寿命を何とかしようと裂命星を狙う直江。しかし一足先に何者かに奪われていた。そこに残る鬼八の気配。赤鯨衆は草間と嶺次郎の間に亀裂が入ったまま白地攻め、吉村一派のいやがらせもあったが高耶の活躍で城を落とす。なんだかんだ言って仕切るのうますぎ。炎を操る力を手に入れた高耶、火と遊ぶシーンがいい。信親公暗殺と星盗りを仕掛けてきたのは織田に寝返った長秀だった。景虎がライバルだってことなんかねえ。直江とばったり会った鮎川気の毒。潮の撮った高耶の写真を高知で直江発見す。直江は高耶に辿りつけるのか。2018/01/23
あすな
11
“生きることへの復讐”。本当はもうとっくに終わってしまったはずの命。それをこの世に食い止めてまで、俺たちは、何を望む?/闇戦国、混戦してまいりました。武田が動き、織田が動き、伊達も動く。鬼八の毒が、高耶ちゃんを遂に火まで操れる人にしちまった!ああ、あの人の強さには限界はないのだろうか。ち、千秋さん…もう!どうしてこうなっちゃったかな!!高耶ちゃんもそろそろ正体がバレそうだし、マズイよ!/遅いよ、直江氏!!馬鹿!!写真に撮影者の名前が書いてあるじゃないか!!早く迎えに行ってやってよー!!!2014/01/31
たろさ
7
高知編。高耶の直江への想いもこんなに強いのに、一緒にはいられないなんて。なんとなく、赤鯨衆の中に自分の居場所を見つけそうな高耶だが、換生した長秀との再会するも、織田についたことが信じられず、お互いに許せず、戦うしかないことがとても切ない。景虎であることを知られたら、どうなるのか。自らの意志で自らのために歩き始めた高耶から目が離せない。直江も、潮が撮影した高耶の写真を発見。伊達の四国進出も控えている、激動の次巻へ。…潮は誰の換生者なんだろう。2018/06/23
たろさ
5
ミラステ後の再読。赤鯨衆が襲撃した後の星谷寺に一蔵を伴った直江が現れる。そこに鬼八の気配を感じ、高耶がいるのではないかと望みを抱く。潮は劣等感から避けるようになり、高耶は自分が何故生きているのかわからなくなる。これは、消極的自殺じゃないのか。 譲のこともおぼろげにしか思い出せない。名前が出ず、ショックを受ける。 ーー直江信綱は上杉景虎に殉じる人間です。千年先も。永劫ー。(世界が朽ちても) 勝長へのセリフだったが、この言葉はここにあった。2018/10/10