出版社内容情報
同時多発テロ以後の変わりゆく戦争の姿を描く
9.11以後、戦争は国対国の戦いから大きく変わった。開戦も終戦もない終わりなき戦いの時代を、リービ英雄、島田雅彦、池澤夏樹、シリン・ネザマフィら現代の作家たちはどのように描いたのか?
内容説明
画面のすぐ向こうの戦火、文学はどう対峙したか?新しい視点で精選、「言の葉」の集大成。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころりんぱ
52
形を変えて今もなお続く戦争、イラク戦争や9.11テロやユーゴスラビア、サリン事件まで、様々な文章の中に切り取られた戦争があった。映像ではなく文章で描かれる戦争はただ観る衝撃よりも深く、時間をかけてじわじわと我が身にしみ込んで来るような感じがする。垂れ流される情報をテレビの前で他人事のように、また、現地味なく受け止めていた、いやむしろ受け流していたのかも知れないなと思い出す。改めて読むとひとつひとつの出来事がよりクローズアップされて迫ってくるので、なんとも言えない圧迫感がある。2016/07/14
ジョナ
4
「戦争×文学シリーズ」に挑む。読み応え抜群。テーマは重いが、魅力的なセレクションのためどんどん読めてしまう。谷川俊太郎、平野啓一郎、重松清、辺見庸、島田雅彦の名前に興奮しつつ、同時に初めて知った作家たちの作品群の凄まじさは、生半可な批判を許さない。「これは戦争なのか、これも戦争なのか、これが戦争なのか。」戦争を変更するのは、私たち一人ひとりの積極的な選択によってのみ可能となるのだ。2012/05/22
てつや
3
読み終わった後、なんだか胸の奥がもやもやする。この本について、何かを語ろうとすることが、とても難しく感じます。何を言っても、一面からしか伝えられないような、そんなもどかしさ。。。かな。よくわからないのですが。 それにしても、毎回ぶ厚いコレクションです。今の時点で、かなり本棚のスペースを占拠しはじめました。 うーむ。。2011/09/09
和泉花
2
これの最後に収録されている「サラム」がいまかなりのホットトピックであるアフガニスタンに関する話で、すごく面白かった。ユーゴ内戦を描いた「零歳の詩人」は悲惨すぎて辛い。人生でどんなことがあってもサラムと言うべきだ、か。励まされる。2021/09/02
ちいくま
2
どなたかのつぶやきで「バグダッドの靴磨き」に触れていて、大好きな米原さんなのに未読!と図書館で検索したら分厚いコレが来ました。一通り目を通しましたが、はやり靴磨きが一番心に残りました。「千々にくだけて」「ナイフ」は既読。あれから15年?あの衝撃から始まる世界の一連の流れがもう記憶の彼方すぎて、都合よく忘れすぎてて、むしろそっちの方がオソロシイ。2016/05/08