出版社内容情報
大江 健三郎[オオエ ケンザブロウ]
著・文・その他
内容説明
ノーベル文学賞作家、生涯のテーマのひとつ。早世した父の謎と父性/天皇制からの自由。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
minamimi
5
G1000のイベントで『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』と、ついでに『走れ、走りつづけよ』の2篇だけ読了。初大江健三郎。しんどい。でも無理受け付けない、というわけでもないので、また他の作品も読んでみよう。狂気を、わからないことを、恐怖している男。核の時代の恐怖のあり方なのか?2022/10/16
riko
4
水死は安定 集大成2024/03/12
ブルーツ・リー
4
大江健三郎に障害を持った子供が産まれた辺りの作品集。 ここまでも積極的に政治や思想に関与していた大江健三郎が、更に息子や、かつて狂死(?)した父の事までも含め、ある程度完全な物語ではなく、実生活を文学の種にし始めた感じ。 そして、息子を書こうが、父を書こうが、それでも政治や思想を通じ、社会に繋がって行くのが、大江健三郎。 現在では純文学でも単に面白おかしいだけの小説も多い中、きちんと世の中にコミットしてくる辺り、格が違う。 そして、当然小説としても圧倒的。異なる意見が書かれていても、納得してしまいそう。2021/06/04
犬を飼っています。
2
大江健三郎全小説の中では中期に書かれた『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』から、かなり後になって書かれた『水死』まで含んだ作品集。「父と子」をテーマに書いた作品が多いが、そこは大江健三郎。単なる家庭小説ではなく社会的な内容も多分に含んだ思想性の高い小説群になっている。前半の中期小説もユーモアと社会性がミックスした面白い作品が多いが、『水死』に至っては「世界のOe」と呼ばれるだけの読み応えに仕上がっている。ある程度大江作品に明るい人でないと意味不明瞭な部分もある中級者以上向け。2022/02/22
Taku Kawaguchi
1
疲れる 最後の「水死」だけが2009年で比較的読みやすい あとは70年代で、読むのは疲れる2020/06/14