出版社内容情報
昭和19年、太平洋戦争末期。少女・あいに降り注いだ焼夷弾の雨。実力派が描く、“名古屋大空襲”!
太平洋戦争末期の昭和19年、名古屋。優しい父と強い母、そして四姉妹の女系家族。木村家次女・あいは、国民学校高等科1年生。
青春真っ只中にいるあいの関心は、かっこいい車掌さんに出会ったことや、今日の献立のこと。自分が戦争に参加しているなんて気持ちは、これっぽっちもなかった――。
しかし、米軍にとって名古屋は、東京や大阪と並んで重要攻撃目標だった。
少女・あいにとって、戦争とは、空襲とは、空から降り注いだ焼夷弾の雨とは、一体何だったのだろうか。
太平洋戦争末期の昭和19年、名古屋。木村家次女・あいは、国民学校高等科1年生。青春真っ只中にいるあいの関心は、かっこいい車掌さんに出会ったことや、今日の献立のこと。自分が戦争に参加しているなんて気持ちは、これっぽっちもなかった――。しかし、米軍にとって名古屋は、東京や大阪と並んで重要攻撃目標だった。少女・あいにとって、戦争とは、空襲とは、空から降り注いだ焼夷弾の雨とは、一体何だったのだろうか。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
40
昭和19年、敗戦濃厚となってきた名古屋が舞台。国をあげて国民全員が戦争に向かっている当時の状況がよくわかります。食料難、洋服もつぎはぎして着続け、勉学も中止しての工場への動員優先、不自由な生活をしながら考え方が変わっていく同窓生や、世間の目を気にする両親の気持ちを考えながらあいがどう成長していくのか。次巻も読みたいと思います!2015/11/23
yoshida
38
大東亜戦争末期の昭和19年の名古屋。銃後の人々の日常を描いた作品。岐阜へ疎開する妹。欠乏してゆく物資。女学生も軍需工場で働く。国債購入を迫る婦人会。戦争一色の日常が見てとれる。ラストの米軍機の飛来が空襲の前触れか。「氷の掌」を先に読み感動して購入。戦争を経験した世代がかなり高齢化しており、少しでも戦争の記憶を心に刻みつけたい。2014/11/09
かおりんご
37
漫画。太平洋戦争中の名古屋が舞台。お母さんの体験を元にして描かれたもの。前に、この方が描いたお父さんのシベリア抑留体験談を読み、気になったので手にした。子どもが女ばかりしかいない家庭は、とっても肩身が狭かった時代だったようで、読んでいて切なくなった。学徒動員で工場に勤務させられたり、軍事訓練みたいなものをさせられたり、どんどん戦況が悪化していく。この先が気になるところ。2015/11/15
辺辺
36
戦争と戦争思考について今一度振り返って問いただす異色な少女漫画。東京大空襲を題材に描く物の中、珍しく当時の名古屋の日常を描いた作品。物語の主人公はごくごく普通のどこにもいそうな女の子、戦時中、彼女の家族や隣人や友達等々、様々な人間模様がリアルに描かれている。戦争は如何に人間の思考と感覚を狂わせていくか、また、登場人物(主に大人たち)其々がそれが如何に心底理不尽だとわかっていても従わざるを得ないという不条理さも切々に描かれてる。可愛い絵に反して惨い酷いの言葉しかでない。敵襲がすぐそこに迫ってきた処で、続く。2015/08/12
wanichan
33
戦争を少女の目を通して描いています。少女漫画なので、同世代の女の子たちも読みやすいのではないかな。軍服を来た男の人ばかりが戦争の話に登場する漫画が多いなか、戦時下の普段の生活の不安、家族、友情などが描かれていろので、戦争は全くの異次元の話でも、過去でもなく身近に感じることができました。この時代に生きていたら、私はどのように感じて、行動していたのかなと考えてしまいました。2015/06/01