講談社文芸文庫Wide
意味という病

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  • サイズ 文庫判/ページ数 352p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784062955157
  • NDC分類 904
  • Cコード C0195

出版社内容情報

日本のシェークスピア論のパラダイムを批判し、明晰な論理と思考の下に、新しい”マクベス”像を描く、初期秀抜エッセイ「マクベス論」をはじめ、秀作『マルクスその可能性の中心』につながるその明視力の圧倒的展開を収録。

内容説明

在りもしないものが在るばかりでなく一切がそこからはじまる。ひとが観念をくいつぶすのではなく、観念がひとをくいつぶす。人間の内部という自然を視ようとした劇作家の眼と覚悟を信じた「マクベス論」は、日本のシェークスピア論のパラダイムを劇的に刷新した。一九七〇年代から今日まで、圧倒的な影響を及ぼしつづける批評家・柄谷行人の初期における、明晰かつ強靭な思索の数々。

目次

1(マクベス論―意味に憑かれた人間;夢の世界―島尾敏雄と庄野潤三;私小説の両義性―志賀直哉と嘉村礒多;歴史と自然―鴎外の歴史小説)
2(寒山拾得考;藪の中;小説の方法的懐疑;人間的なもの;平常な場所での文学;場所と経験;生きた時間の回復;時代との結びつき;淋しい「昭和の初期」;ものと観念;掘立小屋での思考;自作の変更について)

著者等紹介

柄谷行人[カラタニコウジン]
1941・8・6~。批評家。兵庫県生まれ。1965年、東京大学経済学部卒業。1967年、同大学大学院英文学修士課程修了。1969年、「“意識”と“自然”―漱石試論」で群像新人文学賞評論部門を受賞しデビュー。以後、日本近代文学への犀利な批評や、マルクス、カントらの独創的読解、交換様式論に基づく世界史論など、多彩な執筆活動を続ける。法政大学教授、近畿大学教授、コロンビア大学客員教授などを歴任。また批評誌『季刊思潮』『批評空間』を創刊した。『マルクスその可能性の中心』(亀井勝一郎賞受賞)ほか著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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