出版社内容情報
霊界は空想家がでっち上げた楽園である。哲学者として「霊魂」への見解を示し、「三批判書」へのステップとなった重要著作の初文庫化理性によって認識できないものは、形而上学の対象になりうるか――。哲学者カントが、同時代の神秘思想家スヴェーデンボリの「視霊現象」を徹底的に検証。当時高い世評を得ていた霊能者へのシニカルかつ鋭利な批判を通して、人間の「霊魂」に対する哲学者としての見解を示す。『純粋理性批判』に至るステップとなった、重要著作。三浦雅士氏による巻末解説「批評家の夢」を掲載。
訳者まえがき
詳述する前に、きわめてわずかなことしか約束しない前書き
第一部 独断編
第一章 好き勝手に解きほぐしたりあるいは断ち切ることができる混乱した形而上学的な糸の結び目
第二章 霊界との連帯を開くための隠密哲学の断片
第三章 反カバラ。霊界との共同体をとりこわそうとする通俗哲学の断片
第四章 第一部の全考察からの理論的結論
第二部 歴史編
第一章 それが本当かどうかは読者の皆さんの探究にお委せする一つの物語
第二章 夢想家の有頂天になった霊界旅行
第三章 本論文全体の実践的結末
参考資料1 『神秘な天体』(抜粋) スヴェーデンボリ
参考資料2 クノーブロッホ嬢への手紙 カント
解説
イマヌエル・カント[イマヌエル カント]
著・文・その他
金森 誠也[カナモリ シゲナリ]
翻訳
内容説明
理性によって認識できないものは、形而上学の対象になりうるか―。哲学者カントが、同時代の神秘思想家スヴェーデンボリの「視霊現象」を徹底的に検証。当時当い世評を得ていた霊能者へのシニカルかつ鋭利な批判を通して、人間の「霊魂」に対する哲学者としての見解を示す。『純粋理性批判』に至るステップとなった、重要著作。
目次
第1部 独断編(好き勝手に解きほぐしたりあるいは断ち切ることができる混乱した形而上学的な糸の結び目;霊界との連帯を開くための隠秘哲学の断片;反カバラ。霊界との共同体をとりこわそうとする通俗哲学の断片;第一部の全考察からの理論的結論)
第2部 歴史編(それが本当かどうかは読者の皆さんの随意の探究にお委せする一つの物語;無想家の有頂天になった霊界旅行;本論文全体の実践的結末)
著者等紹介
金森誠也[カナモリシゲナリ]
1927年、東京生まれ。東京大学文学部卒。広島大学、静岡大学、日本大学等の教授を歴任。1993年に日本独学史学会賞、2007年に国際文化表現学会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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