講談社現代新書<br> 米軍と人民解放軍―米国防総省の対中戦略

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講談社現代新書
米軍と人民解放軍―米国防総省の対中戦略

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  • サイズ 新書判/ページ数 320p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062882774
  • NDC分類 319.530
  • Cコード C0231

出版社内容情報

日本にとって最悪のシナリオとは――アメリカが想定する米中紛争シミュレーションをもとに、「集団的自衛権」後の安全保障を考える
中国海軍の「本当の実力」と「アキレス腱」、
自衛隊に課せられた役割と米軍の反撃作戦とは――。

アメリカが想定する米中紛争シミュレーションをもとに、
「集団的自衛権」後の安全保障を考える。

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本書の第4章「米中衝突2030」では、台湾海峡危機と南シナ海危機に端を発する、日本と台湾を巻き込んだ米中の武力衝突を、「戦争シミュレーション」という形で描いている。

「見えない攻撃」にさらされる日米…発火点としての南シナ海、中国製端末に仕込まれていたマルウェア、実弾演習を装った奇襲…

在日米軍基地を襲うミサイル攻撃…人民解放軍が標的とするもの、迎撃を阻んだ自衛隊のDNA、在日米軍基地へのミサイル攻撃、嘉手納攻撃…

人民解放軍が日本上陸…特殊部隊によるゲリラ戦術、全国各地を襲った一斉攻撃、東京湾に敷設された機雷、F‐22 vs.Su‐30、航空自衛隊の苦闘…

米軍の視点から見た具体的なシナリオを紹介することによって、人民解放軍の現在と将来に関する読者の方々の理解が、もっとも進められると思うからだ。

今後のアジアの将来を決めるのは米国と中国であることは間違いないだろう。日本はその米国に国家安全保障を依存し、物理的には米中の狭間に位置しながら経済的、軍事的に膨張する中国のパワーと最前線で対峙している。

質量ともに日本が単独で中国のパワーと対峙できる局面はとっくに過ぎ、米国の軍事力や影響力を日本のパワーとして取り込んでいくことが死活的な利益と言える。

その意味で米国、とりわけ米軍が中国をどう捉えているのか、という視点は日本の国益に直結すると言っていい。

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【おもな内容】

第1章 米中パワーゲームの「実態」―米国が狙う経済的利益と中国の本音
第2章 人民解放軍の脅威―中国「A2/AD」能力の全貌
第3章 米軍の作戦コンセプト―「エア・シー・バトル」とは何か
第4章 米中衝突2030

はじめに――戦争シミュレーションは無意味か
日本の国益に直結する「米国の視点」/本書の限界/日本にはない米国の私的厚み
第1章 米中パワーゲームの「実態」――米国が狙う経済的利益と中国の本音
1 不信と悲観に満ちた中国の対米観
2 グローバル・コモンズという安全保障問題
第2章 人民解放軍の脅威――中国「A2/AD」能力の全貌
1 人民解放軍という組織
2 「海洋強国化」の背景
3 海軍「本当の実力」と「アキレス腱」
4 弱者の「切り札」
第3章 米軍の作戦コンセプト――「エア・シー・バトル」とは何か
1 エア・シー・バトルの狙いと核心
2 自衛隊に課せられた役割と米軍の反撃作戦
3 日本にとっての悪夢
第4章 米中衝突2030
1 「見えない攻撃」にさらされる日米
発火点としての南シナ海/2030年、「普通の国」ニッポン/見えない攻撃/中国製端末に仕込まれていたマルウェア/合理的な非合理的判断/実弾演習を装った奇襲/前方展開拠点としてのグアム
2 在日米軍基地を襲うミサイル攻撃
人民解放軍が標的とするもの/迎撃を阻んだ自衛隊のDNA/台湾軍壊滅/在日米軍基地へのミサイル攻撃/嘉手納攻撃
3 人民解放軍が日本上陸
特殊部隊によるゲリラ戦術/全国各地を襲った一斉攻撃/東京湾に敷設された機雷/割に合わない弾道ミサイル防衛/F‐22 vs.Su‐30/米中航空戦の行方/米台側の損失機数は150機/航空自衛隊の苦闘
4 米軍の逆襲
対艦弾道ミサイルASBMの脅威/無力化されたニミッツ/米軍の常識が通じない/エア・シー・バトル発動/米軍の反撃/損害評価と教訓
おわりに――日本の安全保障のために
自衛隊に引き継がれている悪しき旧日本軍の伝統/「ガラパゴス化」している自衛隊/本当に必要な防衛力には投資されていない/しなやかで、したたたかな安全保障政策を


布施 哲[フセ サトル]
著・文・その他

内容説明

アメリカが想定する米中紛争シミュレーション。中国海軍の「本当の実力」と「アキレス腱」、自衛隊に課せられた役割と米軍の反撃作戦とは―「集団的自衛権」後の安全保障を考える。日本にとって最悪のシナリオとは?「本当の脅威」と「脅威でないもの」を冷静に峻別するための入門書。

目次

第1章 米中パワーゲームの実態―米国が狙う経済的利益と中国の本音(不信と悲観に満ちた中国の対米観;グローバル・コモンズという安全保障問題)
第2章 人民解放軍の脅威―中国「A2/AD」能力の全貌(人民解放軍という組織;「海洋強国化」の背景;海軍「本当の実力」と「アキレス腱」;弱者の「切り札」)
第3章 米軍の作戦コンセプト―「エア・シー・バトル」とは何か(エア・シー・バトルの狙いと核心;自衛隊に課せられた役割と米軍の反撃作戦;日本にとっての悪夢)
第4章 米中衝突2030(「見えない攻撃」にさらされる日米;在日米軍基地を襲うミサイル攻撃;人民開放軍が日本上陸;米軍の逆襲)

著者等紹介

布施哲[フセサトル]
1974年東京生まれ。テレビ朝日政治部記者。97年上智大学法学部卒業、同年テレビ朝日入社。これまで主に民主党、総理官邸など国内政治を取材。防衛大学校総合安全保障研究科修了(国際安全保障学修士)、安倍ジャーナリストフェロー、フルブライト奨学生としてジョージタウン大学、米CSBA(戦略・予算評価センター)での客員フェローを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

velikiy99

6
Peter Navarroの「米中もし戦わば」と重なる内容も多いが、自衛隊や在日米軍の弱点を特に扱っている点は、本書に特有かと思う。昨今出ている敵基地攻撃能力付与の話は、本書のシミュレーションのような内容を踏まえ、各種ミサイルのキャリアを先に叩くことを目指すものかと思うが、先制攻撃ができないとすれば、先ず本土の守りを確固たるものにしない限り、いくら攻撃アセットを整えても意味が無いように思えた。自衛隊としては、巡航ミサイルによる基地攻撃での被害を低減する策や、旧式化した戦闘機の更新が課題になるようである。2018/12/09

モモのすけ

6
まずは「第4章 米中衝突2030」から読むことをおすすめします。中国のA2/ADは既成概念を破った。「空母という高価で貴重な兵器をミサイルやサイバー攻撃という安価で手軽な手段で無力化してしまうという非対称なアプローチ」。米軍が引けば、中国は台湾を、沖縄を、そして日本を視野に入れて行くだろうと。日本を攻めにくい国にするためにはどうすれば良いのか?結局、経済力や技術力を強くしていくしか道はないのか。2014/09/15

おせきはん

5
米中に武力衝突が発生したとき、米国にとって日本が重要な拠点になることがよくわかりました。また、ミサイル攻撃の効果や、自衛隊の装備の課題も理解できました。2016/09/29

CTC

4
著者はテレ朝入社後に防大で総合安保を修了し、安倍首相の父君に由来する安倍フェローシップを受け米国で学んでいる。私の知識が先の大戦で止まっているからだろうが(笑)、ランド研究所他のレポートに依拠する考察は新鮮。とりわけ人民解放軍が志向するA2/AD的な戦い=マルウェアによる指揮統制システムへの関与や、安価なミサイルでの高価な艦船や戦闘機への攻撃、は多用されれば高機能な兵器も対処しきれない。著者が云うように米中全面対決は現実的ではないだろうが、シミュレーションすることで、装備や戦術、政治の課題がみえてくる。2014/10/15

Studies

4
質の面で、日本人が書いたものとしては最高水準レベルにある。 新書と侮るなかれ。 しかし、初心者向けではない。2014/09/09

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