講談社現代新書<br> 和解という知恵

電子版価格
¥770
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

講談社現代新書
和解という知恵

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062882606
  • NDC分類 327.5
  • Cコード C0295

出版社内容情報

遺産分割や離婚等を巡るトラブルを未然に防ぎ、「妥協」「譲歩」せずに紛争を避けるコツを、第一人者の弁護士が伝授

【「仲直り」のヒント】
人間関係がぎくしゃくして悩んでいる方、遺産分割や離婚等のトラブルを抱えている方へ。「妥協」「譲歩」をせずに紛争を避けるコツを第一人者の弁護士が伝授します。

宮澤賢治が「ヤメロ」と言った「ソショウ」はどうすればやめられるのか。
家庭で、職場で、ご近所で―。
人間関係に悩むみなさんに贈る「和解」という「幸せの処方せん」。

--------------------------------------------------------

近年、遺産分割や離婚等を機に、これまでうまくいっていた親族との人間関係がぎくしゃくし、深く悩んでいる人はかなり多いと思います。

そうしたトラブルが起こった時、解決策はいろいろありますが、私が推奨するのは断然「和解」です。この『和解という知恵』は、弁護士としての46年の経験に基づき、紛争を避けるための「和解」のコツについて論じた本です。「和解」といえば、「妥協」「足して2で割る」というようないい加減なもの、と思われるかもしれません。しかし本書では「和解のメカニズム」を解明するとともに、和解の方法について、具体例をもとにまとめました。

【本書の主な内容】
序章 訴訟をやめて和解を
第1章 和解とは何か
譲歩と和解/因果律と共時性の原理/ワキガを理由に離婚? ほか
第2章 和解のしくみ
過去に左右される「訴訟」と未来を志向する「和解」/
金銭の貸し借りを巡る和解の方法 ほか
第3章 和解の扉を開く鍵
紛争解決規範の定義/ゲーム理論/言葉を引き出す工夫 ほか
第4章 和解へのスタート
身体と心の状態に光を当てる
そこに「経済的な安心感」はあるか ほか
第5章 和解をやり遂げる方法
遺産分割協議における利害の調整法
土地の交換に見るウィン・ウィンの和解
先妻の子の「今」を知るための情報収集法 ほか
第6章 和解の源泉と二つの源流
第7章 和解の深さ

【本書の主な内容】
序章 訴訟をやめて和解を
北ニケンクヮヤ ソショウガアレバ/あるゴルフ場の倒産事件/解決を生み出す知恵の塊り
第1章 和解とは何か
和解の難しさ/和解の研究と紛争解決学/紛争と解決/和解のための言葉/譲歩と和解/因果律と共時性の原理/ワキガを理由に離婚?
第2章 和解のしくみ
和解システムを解明する/過去に左右される「訴訟」と未来を志向する「和解」/100対ゼロの「訴訟」と権利に相応する「和解」/金銭の貸し借りを巡る和解の方法/訴訟上の和解も増加
第3章 和解の扉を開く鍵
「法」とは何か/「法」のもう一つの機能/紛争解決規範の定義/ゲーム理論/言葉を引き出す工夫
第4章 和解へのスタート
まずは「怒り」を抑える/「今ここにいる」ということの意味/心身と心の状態に光を当てる/重要な鍵となる過去、現在、未来/そこに「経済的な安心感」はあるか/虚偽を暴いてよい和解を/代理人、調停人・仲裁人の必要性/裁判外紛争解決(ADR)という方法
第5章 和解をやり遂げる方法
マニュアル的なテクニックよりも大切な基本/人の話をよく聞くこと/言葉を届ける/評価的な意味の言葉は避ける/遺産分割協議における利害の調整法/土地の交換に見るウィン・ウィンの和解/先妻の子の「今」を知るための情報収集法/事件の核心をつかむ/感動的な方法/よい解決案とは?
第6章 和解の源泉と二つの源流
「和」の精神/法の支配/「近代」を源泉とする二つの源流/合意と私的自治/対照的な二つの流れ/私的自治の現実
第7章 和解の深さ
付帯条件つき最終提案調停・仲裁という新手/契約金返還請求事件(付帯条件つき最終提案仲裁)/瑕疵補修及び損害賠償請求・請負代金反対請求事件(付帯条件つき最終提案調停)/下請代金請求事件(付帯条件つき最終提案調停)/最終提案調停・仲裁における脳の動き/付帯条件付き最終提案調停・仲裁の思想

【著者紹介】
廣田 尚久(ひろた たかひさ)
1938年平壌市生まれ。東京大学法学部卒業後、川崎製鉄(現在のJFE)に入社。66年同社を退社、68年弁護士登録(第一東京弁護士会)。九州大学法学部・大学院法学研究科非常勤講師(93年)、大東文化大学環境創造学部教授(2001年)、法政大学法科大学院教授(05年)を経て、06年、廣田尚久紛争解決センターを設立。おもな著書に『紛争解決学』(信山社)、『上手にトラブルを解決するための和解道』(朝日新聞社)のほか、小説や経済関連書籍なども執筆している

内容説明

こじれた人間関係を改善し、幸せをもたらす「和解」の方法。人間関係がぎくしゃくして悩んでいる方、遺産分割や離婚等のトラブルを抱えている方へ。「妥協」「譲歩」をせずに紛争を避けるコツを第一人者の弁護士が伝授。

目次

序章 訴訟をやめて和解を
第1章 和解とは何か
第2章 和解のしくみ
第3章 和解の扉を開く鍵―紛争解決規範
第4章 和解へのスタート
第5章 和解をやり遂げる方法
第6章 和解の源泉と二つの源流
第7章 和解の深さ―付帯条件つき最終提案調停・仲裁

著者等紹介

廣田尚久[ヒロタタカヒサ]
1938年平壌市生まれ。東京大学法学部卒業後、川崎製鉄(現在のJFE)に入社。66年同社を退社、68年弁護士登録(第一東京弁護士会)。九州大学法学部・大学院法学研究科非常勤講師(93年)、大東文化大学環境創造学部教授(2001年)、法政大学法科大学院教授(05年)を経て、06年、廣田尚久紛争解決センターを設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Rie【顔姫 ξ(✿ ❛‿❛)ξ】

34
和解ということについて、訴訟と対比して論じた本。訴訟というシステムは、勝ち負けであり、判決は100対ゼロということになってしまうけれど、実際の紛争ではどちらかが100%間違っているというケースはまれであり、訴訟はその後の人間関係を破たんさせてしまう。この本は、和解をやりとげる方法、和解の源泉についても説明されている。「和解」は個人の性格による部分が大きいのかと思ったけれど、それだけではなく、また実利的で魅力あるものだということがわかった。2014/08/31

白義

16
多くの民事紛争で和解に携わってきたベテランの弁護士が、勝ち負けのはっきり決まる訴訟と比べて注目されにくい和解の意義、仕組みに全体像とそのコツを語ってくれる実用的で示唆に富む一冊。紛争において和解とは一体どのような構造を持つものかという少し硬めの背景から、よく双方の話を聞いて和解するためのヒントを探そう、という身近な話まで、著者自身が関わってきた紛争を題材に丁寧に描く。近代の法の支配の源泉にあるものを、国家の物理的強制力と個人の法的主体性の二つと見て、和解が後者の私的自治の流れを汲むものと言う指摘は興味深い2017/02/09

ミッキー・ダック

14
必要に迫られて一気読みした。「訴訟」になれば、100対0の勝ち負けになり、人間関係は崩壊するが、「和解」であれば互いに納得し権利に相応する解決が可能である。しかし、和解に至るプロセスが難しい。著者によれば、争いの原因はほとんど言葉が届いていないから起こるので、和解とは言葉を相手に届け原因である齟齬を取り除くことであるという。そのためには理性的に和解のメリットを考え、争いをやめる心境になることが先決だという理屈は良く分かるが、難しいのは怒りや嫌悪や不安などの感情を鎮めること。そこは調停者の役割だろうか。2014/04/24

たくのみ

11
「北に訴訟や喧嘩があれば、つまらないからやめろといい」訴訟は勝っても負けても遺恨が残るもの。和解に持ち込むことがベストなのだ。数々の裁判や訴訟を乗り越えてきた弁護士廣田先生の教える和解の数々。腋臭で離婚しそうになった夫婦に「なじめない」の理由を解明し、マンションの補償金の分配では紙上ディスカッションのうえ、綿密な解決規範をつくる。中島敦の「名人伝」にみる究極の和解。「モモ」の傾聴する老人。届ける言葉の選択。日常にも使えそうな知恵がたくさん詰まっていました。2015/12/31

Y.m.Kim2

1
・朝日、日経 書評掲載 『紛争の渦中にあって、苦しみながらも和解に光明を見出したいと期待する人は、まずは和解によって自分の利益や意思を最大限に実現したいと思うものです。そのような高いレベルの和解を成し遂げるためには、マニュアル的なテクニックではとうてい間に合いません。したがって、和解をやり遂げる方法として技術を論ずるのであるならば、逆説的になりますが、すべての細かいテクニックを忘れるほどに、和解の基本を徹底的に自分の身につけることが大切だということになります。』2015/05/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8007999
  • ご注意事項