講談社現代新書<br> 憲法改正のオモテとウラ

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講談社現代新書
憲法改正のオモテとウラ

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  • サイズ 新書判/ページ数 326p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062882514
  • NDC分類 323.149
  • Cコード C0230

出版社内容情報

憲法改正議論のウラで繰り広げられてきた権力闘争と、既得権益を巡る省庁・族議員による熾烈な争いの一部始終を明かす。
【憲法改正とは「政治」そのものである】

参議院の圧力、省庁の縄張り争い、
政官業癒着勢力の暗躍……。

小泉政権時に「新憲法起草委員会」事務局次長を務めた
著者がはじめて明かす、改正議論の舞台裏。

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前文に歴史観や思想は必要なの?

天皇を元首ごときにしていいの?

憲法改正を利用して、既得権益を守ろうとする
省庁や族議員が存在する!

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〈本書の主な内容〉

第1章 参議院への配慮と自民党内の政治力学
 ・ 改正論議の裏で繰り広げられた権力闘争
 ・ 読売新聞にスクープさせる「暴挙」
 ・ 「こんなふざけた案は絶対に認めない」
 ・ 秘密を守れない政治家たち
 ・ 反発する参議院への配慮と自民党内力学 ほか

第2章 どうすれば国民に支持されるかを考える
 ・ 安倍氏が全面書き換えを主張した理由
 ・ 前文に価値観はそぐわない
 ・ 天皇は元首なのか
 ・ 「元首ごときにするには畏れ多い」という意見
 ・ 自衛軍か国防軍か
 ・ 目先の問題解決策を憲法に求めてはならない
 ・ 「個人」の重要性をわかっていない「第2次草案」
 ・ 封殺された一院制論
 ・ ポピュリズムの危険性が高い首相公選制
 ・ 最高法規を愚弄する行為
 ・ 財務省 vs. 総務省
 ・ 理論武装させられた族議員によるバトル ほか

第3章 政治の荒波に翻弄された条文化作業
 ・ 諮問会議メンバーを固辞する学者たち
 ・ これが政治力学
 ・ 「総理は今、それどころではないんだ」
 ・ 失敗に終わった「軽井沢工作」
 ・ 自然描写や歴史に触れるのは中国憲法と同じ ほか

第1章 参議院への配慮と自民党内の政治力学
 1 1982年の自民党憲法調査会報告
 2 2003?04年の憲法改正プロジェクトチーム
 3 2004年の憲法改正案起草委員会
 4 2005年の新憲法起草委員会発足
第2章 どうすれば国民に支持されるかを考える
 1 前文:歴史観や思想を書き込むのか
 2 天皇:「お考え」を忖度しながら議論すべき
 3 安全保障及び非常事態:世界が注目する9条改正
 4 国民の権利及び義務:「立憲主義」を知らない議員たち
 5 統治機構:二院制を維持するか一院制にするか
 6 財政、地方自治、改正:既得権益を巡る省庁・族議員の熾烈な争い
第3章 政治の荒波に翻弄された条文化作業
 1 独りよがりの案を作っても相手にされない
 2 憲法改正より政局を優先させた人たち
 3 そして大勲位の私案は却下された
現行日本国憲法および自民党「第1次」「第2次」草案対照つき


舛添 要一[マスゾエ ヨウイチ]
著・文・その他

内容説明

参議院の圧力、省庁の縄張り争い、政官業癒着勢力の暗躍…。小泉政権時に「新憲法起草委員会」事務局次長を務めた著者がはじめて明かす、改正議論の舞台裏。都知事が考える憲法論。

目次

第1章 参議院への配慮と自民党内の政治力学(一九八二年の自民党憲法調査会報告;二〇〇三~〇四年の憲法改正プロジェクトチーム;二〇〇四年の憲法改正案起草委員会;二〇〇五年の新憲法起草委員会発足)
第2章 どうすれば国民に支持されるかを考える(前文:歴史観や思想を書き込むのか;天皇:「お考え」を忖度しながら議論すべき;安全保障及び非常事態:世界が注目する9条改正;国民の権利及び義務:「立憲主義」を知らない議員たち;統治機構:二院制を維持するか一院制にするか;財政、地方自治、改正:既得権益を巡る省庁・族議員の熾烈な争い)
第3章 政治の荒波に翻弄された条文化作業(独りよがりの案を作っても相手にされない;憲法改正より政局を優先させた人たち;そして大勲位の私案は却下された)

著者等紹介

舛添要一[マスゾエヨウイチ]
1948年福岡県北九州市生まれ。東京大学法学部政治学科卒業、東京大学教養学部政治学助教授などを経て、舛添政治経済研究所所長。2001年に自民党から参議院選出馬、初当選。05年、小泉純一郎政権時に自民党新憲法起草委員会の事務局次長として、「新憲法草案」(自民党「第一次草案」)の策定に携わる。安倍晋三、福田康夫、麻生太郎の各政権で厚生労働大臣を務めたが、10年4月離党し、新党改革を旗揚げ。13年7月まで同代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

280
自民党の憲法改正の議論がメインだったが、この議論を見ているとまともに改正するのは幾分か先の話になってるなぁ。安倍政権はもっと議論を促進させるべきだろうな。意外と橋本龍太郎と天皇陛下の間で話が為されていることを知った。2016/10/22

ころこ

43
自らの振る舞いで評判を落としたが、文章は文句の付けどころが無いくらい上手い。しかし、その上手い文章からも、自らを落とすことなく功績を自ら讃えるためだというのが滲み出てしまっている。本書の特徴は、憲法の理論部分だけでない、政治の現場とのバランスのとれたところだ。族議員や役人が目先の政治課題を解決するために、権益拡大に細部の文言に干渉してくる。派閥の力学に配慮した党内人事を行う。自民党の議員は権力闘争と肩書に喜ぶ下世話な側面がある一方で、真面目に熱っぽく議論する意外な側面があって、細かく読むと興味は尽きない。2023/01/26

Mumiu

21
新東京都知事、舛添要一氏が参議院時代に新憲法起草委員としての東奔西走ぶりを書いた本です。「美醜は個人の価値判断であるから、このような価値観の入った自然の描写は憲法前文にはふさわしくない」。憲法改正という大事業をなすために、どうしたら国会や国民全体に受け入れてもらえるかを草案にこめられた文の舞台裏を見せてくれる。文の多さに怯んじゃだめ!「憲法とは、国家権力から個人の基本的人権を守るためのもの」なのだから。2014/03/18

はる

18
第一憲法草案作成のことが詳しく書かれていた。細かく丁寧に議論を尽くしていたのがわかり、全ての小委員会に可能な限り出て事務方をやっていた舛添氏には頭が下がる。誤解されがちな人だけど実直で愚直で真面目な人だと感じた。口から出る言葉が悪いから、能力があるすごい人なのにもったいないな。第二次憲法草案が痛烈に批判されており、二次草案に関わった人の言い分はわからない上でのことだが、どんな憲法改正になってしまうのか心配になった。2017/11/01

coolflat

10
著者は自民党憲法改正第二次草案について警鐘を鳴らしている。憲法について基本的なことを理解していない人々が書いたしか思えないと言う。自民党内で積み重ねた憲法論議が全く活かされてないと言うのだ。国家権力に対して「個人」の基本的人権を守るのが立憲主義である。第二次草案第13条は、「全ての国民は人として尊重される」となっている。「個人」ではなく「人」と書いてある。「国家」の対立概念が「個人」であり、「人」の対立概念は犬や猫といった「動物」である。第二次草案は立憲主義を否定し、更には天賦人権説まで否定しているのだ。2014/05/25

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