講談社現代新書<br> 「若作りうつ」社会

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講談社現代新書
「若作りうつ」社会

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  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062882491
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C0236

出版社内容情報

アンチエイジング志向が強まるばかりで、「成熟」の手本となる層が薄い日本社会。「年の取り方がわからない」窮状を詳らかにする。

年の取り方がわからない!――どこもかしこも若さ志向、加齢の手本となるべき年長者も見つからない社会で、我々はどのように年を重ねていくべきか。いま出版界で熱い注目を集めるオタク出身の精神科医が、「成熟消失」の時代を読み解く。

<目次>
序章 年の取り方がわからない
どこもかしこも若さ志向/終わりなき思春期 ほか

第一章 「若作りうつ」に陥った人々の肖像
若さにしがみつかせる強迫観念/自己中心的な結婚願望、その袋小路
不惑になっても自分探し/孤独死に恐れおののく現代人 ほか

第二章 誰も何も言わなくなった
昭和のお年寄り/「日本的成熟」のリセット
メディアは教えてくれない/“成熟の無重力空間” ほか

第三章 サブカルチャーと年の取り方
少年向けコミックの移り変わり/「父親なきアニメ」へ
「かわいい」の世代間伝達/「中二病」は僕らの宗教 ほか

第四章 現代居住環境と年の取り方
「誰にでも好かれる子ども」/パーソナリティの格差社会
社会的加齢のための刺激/自由な居住環境の副作用 ほか

第五章 二十一世紀のライフサイクル
乳児期「基本的信頼 vs. 不信」~ 老年期「統合性 vs. 絶望」
老いや死を前提とした人生の再設計 ほか

終章 どのように年を取るべきか
年の取り方のニューモデル/私達一人一人にできること ほか

内容説明

年の取り方がわからない!オタク出身の精神科医が読み解く「成熟消失」時代。

目次

序章 年の取り方がわからない
第1章 「若作りうつ」に陥った人々の肖像
第2章 誰も何も言わなくなった
第3章 サブカルチャーと年の取り方
第4章 現代居住環境と年の取り方
第5章 二十一世紀のライフサイクル
終章 どのように年を取るべきか

著者等紹介

熊代亨[クマシロトオル]
1975年、石川県生まれ。信州大学医学部卒業。精神科医。専攻は思春期・青年期の精神医学、特に適応障害領域。地域精神医療に従事する傍ら、臨床現場で目にする“診察室の内側の風景”とインターネットやサブカルチャーの現場で目にする“診察室の外側の風景”の整合性にこだわり、ブログ『シロクマの屑篭』にて社会心理学的な考察を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

23
かわいいというのが年齢と性別を問わない褒め言葉となり、若さの謳歌と若返りの薬の広告に溢れて、若くあり続けることへの強迫的欲望にとり憑かれる一方、すてきな歳のとり方を誰も教えず、まわりを見てもこんなふうには歳をとりたくないと思う人ばかり。私自身も、こんな老人にならなってもいいと思えるのは渡辺京二さんぐらい。こんなときこそ古典、とりわけ成功者よりも敗残者の人生の仕舞いかたに学ぶべきではなかろうか。たとえば自らの治める国をギリシャ軍の劫火に焼き尽くされ、妻子は強姦されたトロイアの王プリアモスのような人の生き方に2020/08/04

黒猫

19
「アンチエイジング」の為に老若男女が必死でいる。一億総活躍社会というまやかし物に、定年は伸びた。年金ももう貰えるかわからない。その不安は、「豊かな長寿社会」の名の下にうやむやにされている。私はかねてから疑問でした。「アンチエイジング」って言っても、人間は老いて死ぬということです。CMを見て若々しい老人がサプリを飲んで「毎日健康」なんて言っているのだ。しかし、明日死ぬかもしれないのだ。延命健康よりも、そろそろ私たちは「いかに老いていくか。」という現実に目を向けていくべきだと強く思う。生老病死を見つめる事だ。2018/04/21

kaze

18
★★☆ 「若作りうつ」とは、年を取ることを拒絶する価値観の蔓延によって心身に不調をきたすこと。ライフサイクル論によれば中年には中年の、老年には老年の心理的課題があるという。最近めっきり色んなことに執着や欲がなくなってきて、我ながらどうよと思っていたが、これはこれで良いのか。むしろ幾つになっても「自分探し」なんかやっていたら「若作りうつ」まっしぐらなのか。類まれなる幼生成熟文化である日本のサブカルチャーが「カワイイ」とともに地球を席巻していくのは一面ではとても恐ろしいことなんだな。2014/06/10

くさてる

16
歳をとるということがどういうことか分からなくなってしまって足がすくんでしまっている社会の現状について、様々な視点から考察している内容。とても納得がいく論旨で進められていて、読みやすく面白かった。なにより実感として、ファンタジーではなく、現実に存在する自分が年を取った時の高齢者のロールモデルが見当たらないという思いは時々感じていたものだった。それをどうやっていけばいいのか?ということまで著者は提案しているけれど、けして極端なものではなく受け入れやすいものでした。良かったです。2014/03/19

かやん

11
年の取り方が個人の自由、自己責任になった日本。年相応なことをしなさいと言ってくれる人がいなくなり、若さにしがみつく人の大量発生・・・。きちんと年を取りたいと思いました。2015/05/28

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