講談社文庫<br> ワイルド・スワン〈上〉

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講談社文庫
ワイルド・スワン〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 316p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062637725
  • NDC分類 936
  • Cコード C0136

内容説明

15歳で著者の祖母は軍閥将軍の妾になる。中国全土で軍閥が勢力をぶつけあう1924年のことであった。続く満州国の成立。直前に生まれた母は、新しい支配者日本の過酷な占領政策を体験する。戦後、夫とともに共産党で昇進する母。そして中華人民共和国の成立後、反革命鎮圧運動の只中で著者は誕生する。

目次

第1章 「三寸金蓮」―軍閥将軍の妾(1909年~1933年)
第2章 「ただの水だって、おいしいわ」―夏先生との再婚(1933年~1938年)
第3章 「満州よいとこ、よいお国」―日本占領下の暮らし(1938年~1945年)
第4章 「国なき隷属の民」―さまざまな支配者のもとで(1945年~1947年)
第5章 「米十キロで、娘売ります」―新生中国への苦闘(1947年~1948年)
第6章 「恋を語りあう」―革命的結婚(1948年~1949年)
第7章 「五つの峠を越えて」―母の長征(1949年~1950年)
第8章 「故郷に錦を飾る」―家族と匪賊の待つ四川省へ(1949年~1951年)
第9章 「主人が高い地位につけば、鶏や犬まで天に昇る」―清廉潔白すぎる男(1951年~1953年)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鈴木拓

19
激動の中国を生き抜いた著者の曾祖母、祖母、母、そして自身を中心とするドキュメント小説。上巻では1909年~1953年までが描かれているが、共産党が台頭してくる時代の臨場感が伝わってくる。女性が虐げられた時代から平等の時代へ向かうが……。2019/08/17

しんすけ

16
ユン・チアンの祖母から始まる家族史で、小説のような会話はほとんど無い。 満州を舞台にした家族の歴史を淡々と綴っているだけだ。だが何か引きずられるかのように読むの止めることはない。 精神的な集中を強いられていることも感ずるが決して苦痛を伴うものではない。 共感させられる事実が語られているからに違いない。かって世界のベストセラーとなったという事実に、今更ながら頷かされる。 上巻は清朝末期から日本の満州侵略を経て、著者が生まれた翌年の1953年までが記されている。2021/05/31

昼夜

8
母から勧められたノンフィクション。戦時中の異常な時代と異常な社会の極限情態に翻弄されながら、人は生きるため国をよくするために何をするか何をできるかが書かれている。安穏な時代に生まれ平和な社会に育った私にはただ黙って聞いているしかできない。2010/03/11

キムチ27

5
ぐいぐい引き込まれていった。ちょうど、「大地」を読んだ時のように。筆者の記憶の鮮明に感心すると同時に、中国人独特?のような深層に染み付いた怨念を文字にする力に唸らされた。2003/08/14

こたちゅう

5
上巻は祖母~母にかけてだが、特に祖母の時代の話には纏足、軍閥の妾、満州族の習慣など、隔世の感がある。たかだか100年ほど前にこんなことが行われていたとは驚きだ。それを知るだけでも読む価値があるが、それに加え、翻訳がこなれていて大変読みやすい。2011/01/08

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