内容説明
パンチラに感謝するフランス人と、平気で見すごす中国人―何に性感を覚えるかは、時代により民族により異なる。人間の性欲とは、きわめて文化的な心の持ちようなのだ。桂離宮から渋谷センター街まで、射精抑圧から女体観察まで、感じて、そそられて、満たされる、秀逸の論究集。
目次
まえがき 性のなかに文化を読む
1 桂離宮にエロスを読む
2 神仙の証―中国古代房中術にみるセックスと飛翔
3 韓国整形美人事情
4 摩登上海にうかぶ女体の群れ
5 映画のなかの性―戦後映画史における性表現と性意識の変遷
6 「ギャル男」のいる光景
7 男から生まれた女
8 ホステスたちは、何を売る?
著者等紹介
井上章一[イノウエショウイチ]
1955年、京都府生まれ。京都大学大学院修士課程修了。現在、国際日本文化研究センター勤務。専門は風俗史、意匠論。1986年度サントリー学芸賞、1999年度芸術選奨文部大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へんかんへん
5
儒教的文化を技術で補填せざるを得なかったという見解 行気、服薬、宝精、十問、合陰陽、玉房秘訣、醫心方、神明2017/03/08
富士さん
1
再読。テーマにブレが大きくなって、言いたいことがよく分からなくなった感じでした。性欲の文化と言うだけでは範囲が広すぎて、思わず、だからどうした、と思ってしまう章もあったり。ある程度の共通認識の存在を感じさせた前巻とは違って、1章ごとの薄さが際立ってしまっています。もうちょっと編集が主導権をもってもよかった気がします。それでも、いつも通りに本来未分化に混交しているはずの性を隠ぺいしてお上品に漂白してしまう学問的な欺瞞を指摘する井上先生の1章と、風俗産業の職業技術を明快に示して見せる8章は興味深い内容でした。2017/05/25
ぽて子
1
期待していたものとイマイチずれがあった2009/04/06
rin_desert
1
ホステスのルポと考察が面白かった。男娼テクニックも一考するものあり。2009/08/20
BsBs
0
1から続けて読了。1と比べると興味を引く部分はだいぶ少なくなったように感じたが、それでもよくまとめられていたと思った。あとがきに学問で性というテーマを扱わない「上品ぶりに、学問としての頽廃を見る」とあるが、まったくもって同感である。この本は始終そのことを問いかけ続けていたのではないかと思う。 あとどうでもいいけどノーパン喫茶とか愛人バンクとかの性風俗全盛期のワードはヤバイ2016/07/19