鳥獣戯画

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鳥獣戯画

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062208079
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

時空を越えて自在に往還する視点。「私は」という語りの力で小説の可能性を無限に広げる、最大級の野心作。人間が考えることなど動物は何もかもお見通しなのだ。

二十八年間の会社員生活を終え自由の身となった小説家。
並外れた美貌を持ちながら結婚に破れた女優。
「鳥獣戯画」を今に伝える名刹を興した高僧。
父親になる三十歳の私。恋をする十七歳の私。

語りの力で、何者にもなりえ、何処へでも行ける。
作家生活10周年の著者が小説の可能性を極限まで追い求める、最大級の野心作。

凡庸さは金になる
美人
犬の血液型
逃避行
伴侶
明恵上人
型のようなもの
護符
文覚
妨害
承久の乱
入滅
携帯電話
警官
卒業式
達成なのか? 停滞なのか?
暗黒大陸じゃがたら
佐渡


磯崎 憲一郎[イソザキ ケンイチロウ]
著・文・その他

内容説明

二十八年間の会社員生活を終え自由の身となった小説家。並外れた美貌を持ちながら結婚に破れた女優。「鳥獣戯画」を今に伝える名刹を興した高僧。父親になる三十歳の私。恋をする十七歳の私。語りの力で、何者にもなりえ、何処へでも行ける。小説の可能性を極限まで追い求める、最大級の野心作。

著者等紹介

磯〓憲一郎[イソザキケンイチロウ]
1965年千葉県生まれ。2007年「肝心の子供」で第44回文藝賞、2009年「終の住処」で第141回芥川賞、2011年『赤の他人の瓜二つ』で第21回Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2013年『往古来今』で第41回泉鏡花文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆうゆうpanda

27
初めて読む作家さん。句点で文章をでつなげて行く独特の書き方。息継ぎができなくて、急がされているようで、最初は物語に入っていけなかった。主人公がリレー式で替わっていく所も含め、巻物を意識した構成なのかと分かってきたら受け入れやすくなった。後半の作者自身の青春時代のエピソードになってからは引き込まれるように読んだ。年齢も近く、私も上野界隈の中高に通っていたので、土地勘や時代の雰囲気がとても良く分かり、共感できたのだ。作者をとても身近に感じられて面白かった。最近知ったのだけれど…中学の同級生の兄上なのだそうな。2020/02/12

メセニ

16
気ままというのかほとんど行き当たりばったりに思える自由で軽妙な語りのその調子に身を任せる。これがなんとも心地よい。語り手である小説家と偶然出会う女優とのエピソード、これが気がつけば800年の時を遡り、どんどん連想していく。「鳥獣戯画」の如く異なる話が時間と空間を越えて移ろい、しかしそこには私たちの怒りや苦悩が絶えず内声として聴こえる。脈絡なく思えた筋書きにも一貫した思いが連綿とあることを悟り、それをゆっくりと受け入れ肯定していく語りに力を感じる。これは救いだろうか?初めての作家だったが他も読んでみたい。2018/01/10

けろりん

15
タイトル、装幀に惹かれて。ー凡庸さは金になる。それがいけないー「私」は、愚かさに対する身を焼くような怒りに駆られながら、道を急ぐ。長い段落で構成された章。地の文と、会話文は、行を改めずなだらかに繋がって綴られる「鳥獣戯画」を所蔵する高山寺を再興した明恵上人の生涯、美しい女優の半生、「私」の来し方。題名となった絵巻の、色々な場面が区切られる事無く連綿と描かれていく様を見るよう。物語に翻弄され、さながら裏見返しの、ころりとひっくり返されたかえるになった気分。何とも経験したことのない読後感。2018/03/12

まみ〜

14
28年の会社員生活の後に小説家になった男(作者本人がモデルかな❓)の語りで進む📖喫茶店でいきなり声をかけてきた美人女優(かなり年下😵)との秘密の京都旅行から、その京都での行先に選んだ、鳥獣戯画が保存されている高山寺の再興の祖・明恵上人の半生、さらには男の青春時代の話まで、とりとめもなく綴られていく📖 来週、大阪の「鳥獣戯画展」に行くので、知識の足しにでもなれば、と思って読んだのですが、非常に読みにくかった😅💦(しかも鳥獣戯画に関することは少ない😓)だから芥川賞はニガテなんだ💥(偏見(笑))2019/04/07

ぽち

14
この本を読み終わった今日は2017年11月26日で、あと7分で日付けがかわる、27日には磯崎(本当はこの崎、ではなく作りのぶぶんは立の下に可がドッキングしたものであることに、今作で初めて気づいた)さんと円城塔さんのトークイベントが新宿紀伊國屋で行われる、わたしはそのイベントの入場整理券を持っているので、読中特に読み応えを感じながら読んでいた鎌倉時代の僧侶明恵上人のパートなどではトークイベントで質問コーナーなどあった場合に備えるような心づもりで、小説の技法的なことを考えながら読んでいた、2017/11/26

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