慶喜のカリスマ

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慶喜のカリスマ

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  • サイズ A5判/ページ数 386p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062181747
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0021

出版社内容情報



野口 武彦[ノグチ タケヒコ]
著・文・その他

内容説明

英邁豪胆?卑怯臆病?いったいどっちだったのか。歴史は時としてひとりの人物に過剰な役割を負わせる。そのとき、たしかに彼はカリスマであり、ある者は熱い希望を託し、ある者は深く警戒した。しかし、いつしかその行動は期待を大きく裏切り、あわれでなかば滑稽な結末を迎える…。それはなぜだったのか。幕末の悲喜劇と明治の沈黙の向こうに日本最大の転形期の姿を見据えた傑作評伝。

目次

第1章 英邁公子
第2章 将軍後見職
第3章 一会桑政権
第4章 落日の幕府
第5章 慶喜の政権構想
第6章 大政奉還は戦略だった
第7章 鳥羽伏見の戦い
第8章 東帰始末
第9章 江戸帰還、そして退隠
第10章 沈黙の半世紀

著者等紹介

野口武彦[ノグチタケヒコ]
1937年東京生まれ。文芸評論家。早稲田大学文学部卒業。東京大学大学院博士課程中退。神戸大学文学部教授を退官後、著述に専念する。日本文学・日本思想史専攻。1973年、『谷崎潤一郎論』(中央公論社)で亀井勝一郎賞、1980年、『江戸の歴史家―歴史という名の毒』(ちくま学芸文庫)でサントリー学芸賞受賞。1986年、『「源氏物語」を江戸から読む』(講談社学術文庫)で芸術選奨文部大臣賞、1992年、『江戸の兵学思想』(中公文庫)で和辻哲郎文化賞、2003年、『幕末気分』(講談社文庫)で読売文学賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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i-miya

42
2013.12.01(読んだわけではありません、2013.11.30日経新聞朝刊、文化欄から)(著者=) 大阪文化担当、田村広済。 (見出1=) 没後100年、研究進む。 (見出2=)徳川慶喜、洋画家の一面。 (見出3=美術史に位置づける動き。(絵=1)『蓮華之図』(東叡山護国院蔵)、『西洋風景』(久能山東照宮博物館蔵)(見出4=)由一同僚=中島仰山から学ぶ。 (見出5=)博物的で、説明的。幕末、高橋由一、原田直次郎、五姓田義松、浅井忠らを経て黒田清輝で一応の落着という位置づけ、洋画家。 2013/12/01

Gummo

13
江戸幕府第15代将軍・徳川慶喜(1837-1913)の評伝。「慶喜という政治家には、頭脳明晰、言語明瞭、音吐朗々と三拍子揃っていながら、惜しむらくは、ただ一つ武将には不可欠な蛮勇、クソ度胸といったもののもちあわせだけがなかった」など、教科書的記述にとどまらいところが下手な歴史小説よりも面白い。名門出の英邁公子としてカリスマ視された時代、様々な不運に襲われついには朝敵とされた時代、沈黙と不作為を貫いた隠遁の時代。彼にもし蛮勇が備わっていたら…。この国の形はもっと違うものになっていたかもしれない。2013/08/05

ちい

3
先日読了した「正妻」からの本書◆慶喜を褒めそやすでも、コケ下ろすでもなく当時の資料に基づき書かれた慶喜。頭脳明晰、言語明瞭、音吐朗々と三拍子揃っていながら、武将には不可欠な蛮勇、クソ度胸といったものをもちあわせなかった、と分析しているが、だよねーと思う。「自己愛の人」と「正妻」に記されているが、ホントそう思う。2022/02/12

ren5000

3
この本を読んで思ったことはこういう時代に生まれた人は何か突出してなければいけないということかな?慶喜さんはすべてにおいて及第点以上なんだけどそれが却って邪魔になったのかも?逆に慶喜がとことん暗愚だったら歴史は変わっていたのかもしれない。2013/09/09

asukaclaesnagatosuki

2
野口武彦先生がご病気から立ち直られて、書かれた本とのこと一気に読みました。先生の一連の幕末物では慶喜公への辛口の記述もあり、自分も司馬遼太郎が描く慶喜像に不満あって、決定的な場面で踏ん張り無く、周囲の人間を振り回す結局はボンボンな困ったちゃんという慶喜のイメージを抱いていましたが、野口先生は実は慶喜の大ファンだそうで、驚きながらも、なるほどと思ったことでした。2013/09/07

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