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カラマーゾフの妹

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  • サイズ B6判/ページ数 312p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062178501
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

『カラマーゾフの兄弟』で描かれる父殺し。その真犯人は別にいる。歴史的未解決事件の謎が今ここに解かれる。興奮度超級のミステリ。

ドストエフスキーの書いた世界文学の金字塔『カラマーゾフの兄弟』には、書かれていない第二部がある。父殺し事件の真犯人が別にいることは、第一部を詳細に読めば明らかなのだ。事件から十三年後、カラマーゾフ家の次男イワンが特別捜査官として町に戻ったことで次々に暴かれる衝撃的な真実。その日、本当に起こったこととは、そして家族が抱えていた真の闇とは何だったのか。すべてがいま解き明かされる。興奮の文芸ミステリ!

【著者紹介】
1966年茨城県生まれ。茨城大学卒。お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。1995年日本ファンタジーノベル大賞最終選考作『ムジカ・マキーナ』でデビュー。著書に『カント・アンジェリコ』、『赤い星』など。2012年本作で第58回江戸川乱歩賞を受賞。

内容説明

トロヤノフスキーは愕然とした。当時の弁護士は真相まであと一歩というところまで迫っておきながら、最も重要な点を見逃している。極めて重要な、絶対に見逃してはならない点をだ。不可解な「父殺し」から13年。有名すぎる未解決事件に、特別捜査官が挑む。第58回江戸川乱歩賞受賞作。

著者等紹介

高野史緒[タカノフミオ]
1966年茨城県生まれ。茨城大学卒業。お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。1995年第六回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作『ムジカ・マキーナ』(新潮社)でデビュー。2012年『カラマーゾフの妹』で第58回江戸川乱歩賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ntahima

148
こんな悪夢にうなされたことがある。「君の仕事はこの家を持ち上げることだ!」「家を?」同僚達の反応は「大変だねえ~」。未完の大作『カラマーゾフの兄弟』の後篇を書くとは生身の人間に家を持ち上げろと言うに等しい。著者が真っ向から挑まずミステリにて応えたのは賢明な選択。但、著者が“家を持ち上げえたか?”と言うとそうではない。書かれなかった続編を実在の作品が凌駕するのは神の領域。『~兄弟』続篇構想を読んだことがある人なら犯人は簡単に分る筈。それと文学史上最も印象深い脇役のひとりであるイワンに主役は似合わないのでは?2013/03/27

財布にジャック

113
江戸川乱歩賞受賞作です。審査員の選評が後ろに載っていますが、確かに賛否両論になってしまうのも、読んでみれば頷けます。カラマーゾフの兄弟を読んでいるとより楽しめるとは思いますが、親切なことにおおまかなあらすじはこの小説の中で紹介されていました。まさかあのドストエフスキーの有名すぎるお話の続編を書こうとする日本人作家が現れようとは、天国のドストエフスキーもさぞや驚かれていることと思います。カラマーゾフ事件の異解釈、題名のカラマーゾフの妹とは?そして、登場人物達のその後と、いろいろな意味でお腹いっぱいです。2012/11/17

mukimi

108
カラマーゾフの兄弟を読み終えてすぐ本書に取り掛かった。カラマーゾフ事件の真相が現代の日本作家により独自の視点で暴かれる痛快さ。あれほどの歴史的大作の中にまだこんなにも解釈の余地が残されていたとは…と驚きはあるが、あの作品はミロのヴィーナスの様に読む者の想像力を掻き立てる未完成の部分があるために色褪せないのかもしれない。ドストエフスキーが生きていれば書かれた筈の続編をこれまでどれほどの人達が想像しただろう。本書だけでなく世界中の作家がその続編を描く挑戦をしてきたのかもしれないと思うとぞくぞくする。2022/08/11

みっちゃん

95
作者が「前任者」と呼ぶかの文豪の手になる原典は恥ずかしながら、全くの未読です。当然彼が「13年後」の続編を書くと予告し叶わなかった事も知りません。でも「カラマーゾフ事件」を詳述する章もある親切さで、私にも大変面白く読めました。プロファイリング、科学捜査、多重人格、サイコパス!コンピュータとロケットまで飛び出す、破天荒とも思える展開ですが、これらの点が最後には見事に1つの線に繋るのです!すごい解決編!いつの日か、原典に戻り「前任者」の残した手掛りを確認出来たらいいな。2013/07/06

ケイ

87
期待して読み始めたが…、なぜこれを受賞作としたのか。あくまでも反対に票を投じた今野さんに全面的に同意する。「我が前任者」とドストエフスキーを呼んで欲しくない。ミステリーとしては、『カラマーゾフの兄弟』の矛盾をついて仕上げた話であり、そのアイデアの斬新さは素晴らしいと思う。しかし、カラマーゾフを真面目に読めば、彼らのその後の性格設定は無理があると思う。作者があの長編をかなり読み込んでいるとこはわかるが、ここまでくればパロディではないだろうか。アイデアとミステリとしてのみが評価されたのだろう。2014/06/13

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