出版社内容情報
柏葉 幸子[カシワバ サチコ]
著・文・その他
佐竹 美保[サタケ ミホ]
著・文・その他
内容説明
「帰命寺様に祈って、どこかで死んだ人に似た人をみかけると、ああ、帰命寺様にお祈りしたから生き返ってきたって思うんだろう。祈れば帰れるっていう単純なものらしい。―」祈ると生き返ることができる「帰命寺様」。生き返ったあかりの運命はいったいどうなるの?夏休み、小学五年生のカズが奮闘する。
著者等紹介
柏葉幸子[カシワバサチコ]
1953年、岩手県生まれ。『霧のむこうのふしぎな町』(講談社)で、第15回講談社児童文学新人賞、第9回日本児童文学者協会新人賞受賞。『ミラクル・ファミリー』(講談社)で、第45回産経児童出版文化賞受賞。『牡丹さんの不思議な毎日』(あかね書房)で、第54回産経児童出版文化賞受賞。『つづきの図書館』(講談社)で、第59回小学館児童出版文化賞受賞
佐竹美保[サタケミホ]
1957年、富山県生まれ。ファンタジーや児童書の分野で多くの装画・挿絵を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
119
大人って嫌だなぁ。大人って面倒くさいよなぁ。僕も大人の一員であるにも関わらず、読んでいると、どうにもこうにも大人ってものが嫌になる。そして、主人公である小学5年生のカズやあかりたちを応援してしまうのだ。夜中に起きたカズが真っ白な着物姿の女の子の幽霊を見てしまうところから物語が始まります。そして、カズが住んでいる場所が帰命寺横丁と呼ばれていたことを知ります。そこから、さらに奇妙な出来事が起こるんですよね。あぁ、やっぱり柏葉作品はいいなぁ。児童書の枠を超えている大人にも読んでほしい物語です。2013/08/15
takaC
115
構造がちょっと複雑だったけど予想以上に面白かった。妻や子供に先に読まれ「お父さん、まだ読んでないの?」と言われたらそりゃ、読まないわけにはいかない。そもそも表紙の絵に釣られて自分が図書館から借りてきた本だしな。2012/08/13
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
108
★★★★★またしても「柏葉幸子」物語が持つ本当の力を、これでもか!ってくらい見せつけてくる。そしてそれに打ちのめされ、魅了され夢中で読み終えた深夜2時…この幸せに代わる物など滅多な事で手に入れられない(笑)祈れば命が帰る、そんな御本尊を祀った「帰命寺」黄泉の国から戻った命は是なのか?それとも非であるのか。亡き祖父が守り続けた使命、カズはそれを受け継ぎ守るのか!劇中本で語られる魔女の呪いの物語、魔女は死んだ息子の生命を取り戻せるのか。幾重にも仕掛けられた謎と、勇気の物語。私は蘇った生命を許せるだろうか…2016/11/16
chimako
93
面白かった。作中の物語が秀逸。「よみがえる」リンクもあり、本作を引き立てる。主人公は小学校5年生。表紙と作中の絵は『守り人シリーズ』の佐竹美保さん。たくさんの挿絵は児童書ならではで贅沢な読み物に仕上がっている。物語自体は導入部分も長いし、少し首をかしげる場所もあるが読み出もあり大人もおおむね楽しめる。作中作の続きが気になって、カズやあかりや裕介とともに前のめりで読み始める。気持ちは小5。あかりの転校はあれで良かったのかなぁ……と感じた納め方で少しだけ違和感が残った。2019/01/29
kishikan
77
タイトルと表紙が気になり手にしました。漢字にふりがながふってあることから、児童向けかなと思いましたが、いえいえ大人が読んでも大満足の物語です。もちろん、子ども(小学校高学年からでしょうか)が読んでも、何かをつかみ取ってくれるはずです。夏休みは終わりましたが、来年の課題図書にも良いかもしれませんね。小学5年生のカズくん、小さい頃に亡くなり生き返ったあかりちゃん、作中作の物語を作ったミア・リーことちょっと怖い水上のばあさん。ほっこりした、でもちょっと悲しくて最後には爽やかな物語でした。みんなに読んでほしいな。2012/09/06